464.フィリピンの時の流に身をまかせ.4 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
結婚して以来ワタクシとジョイは大喧嘩は一度もない、ワタクシたちのケンカは急に話をしない事だ、彼女は怒ると急に黙ってしまう、感情をあらわにするフィリピーナには珍しいタイプかもしれない、更に少しすると何事もなかったようにケロッとしている、だから本当の言い合言い合うケンカにならない、この日はワタクシが携帯電話とロコスへのレンタル料金を出発の数時間前に言われ頭にきて拗ねるように部屋にとじ込もっただけでケンカとは言えないかもしれないが、もしワタクシを置いてきぼりにして自分だけ行くようなら別れてもいいとさえ思った。


朝になり階段を上がり部屋に入って来たのはジョイだった、
ワタクシ「あれ、行かなかったのか?」


ジョイ「オッオー、アナタ イルディバー」


ワタクシ「じゃあ、今日携帯買いに行くか?」
結局はケンカにならずだ、底抜けのお人好しと真からは怒らない性格、そして優しい、ワタクシが彼女を嫁さんに選んだのはここにあった、十数年で何百人、或いは何千人の外国人の女性を見てきたが彼女のような女性はいなかった、ノロケのようになってしまったが真実なのでお許し願いたい、とにかくパパ、ママ、弟や隣のティトファミリーの一部にはキャセルして申し訳なかったが多分ジョイはワタクシの腰の具合がよくないと説明したに違いない、ワタクシとしてはファミリーにも。


この日は12/23で日本は天皇誕生日で株式市場も休場、ワタクシとジョイと息子のリアムと3人でケソンシティのショッピングモールに出掛けた、数日前と打って代わりタクシーが簡単には拾えないのでジプニーに乗るが、いつもなら15分もあれば到着するのだが渋滞で30分以上もかかった、流石にクリスマス.イブ前日でセールをおこなっているだけあってモールも凄い人混みだ、ジョイの後をノコノコ付いて行くとエスカレーターを上がっていくつもある洋服売り場に行くではないか、
ワタクシ「あれ、携帯は?」


ジョイ「スコシダケ~」
いや、ジョイとの買い物は懲りている、あれでもないこれでもないと日本でも3時間位は安物を買うのに平気で時間を使う、女のショッピングに付き合うのは大の苦手だが中でもフィリピーナはワタクシから見てどうでもいいこだわりが有りすぎて嫌になる、しかし今回は取り敢えずワタクシのデブ用の短パンを探しているので文句が言えないのだが何軒廻ってもサイズがない、結局サンダルとティシャッを買っただけに終わった、そしてその後は子供のリアムの洋服選びだ、「携帯は?」と言っても「もう少し」と取り合わない。


ワタクシに取っては連絡が取れ情報を得られ発信出来る携帯を手に入れる事が最重要課題だがジョイには全く理解しない、アイパットが使えるから銀行のチェックやお金の移動が出来るし株式取引も出来て利益を生む事が可能なのに彼女は解っているようで理解していない、やっと買い物が終わり携帯売り場に行く、一番いいのは従姉に騙されて2万円で買わされたエクスぺリアが使えれば申し分ない、行くと携帯の修理屋台のところだった、一軒目では出来ずに紹介してくれた店が2.3日でピンコードが送信されてくるらしい、ちんぷんかんぷんだが料金2500ペソ払い2.3日待つ事にした、その後ジョリビーに行く、初フィリピンで入って以来十数年ぶりのジョリビーだ、だが十数年ぶりだと味も忘れていたがシチューやチキンも意外と旨い、食べ終わり帰りのタクシーも捕まえるのに20分かかり家まで更に20分かかった。


家に帰り一息ついた後に軒下でテーブルを囲み近所の親戚やジョイの友人たちがいつものように集まり盛り上がっていると、どこかで見た一人の男だか女だか解らないのが近づいてきた、「ジョ~イ、ハーイ、クヤ~!」よく見ると、よく見ると、よく見るとカマ太郎だった、11.12年ぶりの再会か、ジョイを訪ねて2回目の時、最終日だというのにお土産ほしさにノコノコとホテルまで付いてきやがって、おまけにトイレでまざまざと見せつけたコーラ瓶サイズのブツでワタクシを失意のどん底に陥れたカマ太郎、話を聞くと日本に行くかもみたいな事を言っていたが行かなかったみたいだ。


積もる話があると思いきやカマ太郎は日本からの土産物を受け取るとサッサとワタクシが昔に教えた内股スキップをしながら帰って行く、そこに入れ違いに隣のアテが現れた、日本人の旦那は毎日ゴルフ三昧の日々を送っている為に寂しいのだろか二日に一回はやって来ている、旦那がゴルフをやり過ぎて足が腫れてしまったの、日本人の友達の家に遊びに行ったら凄い家だったの、自分の家は3LDKだけど部屋が狭いだのワタクシには全く興味のない話ばかりだ、日本にいてもフィリピンにいても金がある人は金がありイチイチ人の事を気にしていられない、フィリピンにいて御大尽の生活をしたい人は御大尽の生活送ればいい。


フィリピンにいる邦人は2万人にも昇るらしい、皆考え方は千差万別であってしかるべきだろう、だが、この内の何人の方がフィリピンという国と人々を理解しようと務めいるのかは解らない、ただ単に貨幣価値の違いで金持ち気分になり南国で優雅に暮らしたいと思われる方は多いのではないか、逆に見知らぬ土地で苦労しながら、またその苦労を楽しみながらフィリピンという国で調和をとりながら色々と仕事をなさっておられる方々がおられるのは共感する、まだフィリピン国の右も左も解らずに住んでもいないワタクシが偉そうな事を書いてしまい在比の邦人の方々の反感を買うかもしれないが、ワタクシは隣のアテの旦那がゴルフ三昧で本当はアテはたまには旦那を連れてここに来てファミリーと過ごして欲しいと思っているのではないかと感じたからだけなので特に他意はない。


遊びながらフィリピンを満喫なさっておられる方々はこの国の発展の為にしっかりお金を使っておられるのでドンドン落とせばいいと思う、ではお前はどうなのか?と尋ねられれば「今はジョイのファミリーと一緒に暮らし毎月の生活を安定させるところから始めます」と答えるしかない、しかも楽しみながらファミリーを形成していきたいと考えている、人間歳と共に出来る事は限られてくるが今はこのファミリーの十年後を考えてプランを頭の中で組み立てている最中だ、このファミリーを助けるという事を楽しみながらやるか苦しみながらやるかで気分がまるで違ってくるのではないか。


正直ジョイと日本で暮らすなか家賃、光熱費、その他はワタクシの銀行から引き落とされる、ジョイには毎月13万円を渡し、その中から自分の携帯代とフィリピンへの仕送りとワタクシたちの食費となる、彼女は毎月3万から4万を送金しているが、二月に一回は必ず追加送金の依頼がママからある、平均でいくと約6万円を送金している事になる、ジョイの家はクヤの嫁さんが日本に出稼ぎに行っているがファミリーには金を渡してないらしいのでジョイの送金だけで暮らしている事になる、即ち6万円で贅沢をしなければ暮らしていける事になる。


実際フィリピンに来て1日の食費はワタクシたちの分を含んで700ペソ前後で30日間として21000ペソだ、これに電気代が2200ペソ、水道代1000ペソで合計24200ペソ(約62000円)となる事がわかった、勿論これは基本的なお金で色々と他にかかるだろうがワタクシが60歳になった時の一ヶ月平均に手取りで貰う年金85000円でも貯金を崩さずともいけそうだとの感触を得た、だが、このファミリーには子供が多いので将来に備えなければならない、子供たちを育てるのは大変だが将来への夢がある、そう考えていると大変だがワクワクもする、何をするにしても人生楽しまなければ損だ。


12/24クリスマス.イブ、朝から大音響だ、大体住宅地でこんな大音量で誰も文句を言わないのがおかしいが、それがフィリピンなのだろう80年代のワム、ホイットニー、フィリピンのクリスマスソングが鳴り渡る、と言って何かビッグイベントがあるわけではない、夕方になり家の前のテーブルを囲み近所の衆が酒を飲み食べて馬鹿話をする、時折花火の音が聞こえるが単発だ、それが淡々と続いている、女が10人男が旦那衆が4人ほどいた旦那衆は話題に参加出来ず2人は早々に退散した、ジョイの従姉のお調子者の旦那は騒ぎ過ぎて女たちにボコボコにされている、25日の0時になっても人が多いだけで特に何も起こらないまま飲み会はシュクシュクと続く、フィリピンのクリスマスは盛大だと思ったが、ちょっと拍子抜けしながらワタクシも退散し大音量のクィーンのミージュクの中就寝した。


12/25(金)またもや寝坊だ、株式相場スタート直前に起きて買うか考える時間がなく迷ってしまい出遅れたが、ロットを小さくして買いを入れた、出遅れたわりには1日で三回転出来て12万ほど利益が出た、前からのマイナスが3万ほどあったがこれも精算した、また日本の銀行をチェックすると4万2千円ほど入金になっている、「なんじゃ、こりゃ」とよく見ると母親の後期高齢者の保険の清算金のようだ、思わぬ収入は金額に関わらず嬉しいものだ、フィリピンにやって来てトータル18万ほどプラスになり旅費代は取り戻したことになる、だが株式投資をしている時に悪魔が現れた、その悪魔は札束を持って来た、
ワタクシ「オーッ、凄いじゃん、どうしたのよ、その札束」


悪魔「今日はクリスマスだから子供にお金挙げるだから、2000ペソちょうだい」
3日前まで14000ペソあったが、何だかんだで5000ペソしかないのに更に2000ペソ寄越せというこ太りの悪魔「一体どうなるのワタクシのペラは~~~っ」と叫ぶしかなかった。



次回に続きます、いつもご訪問頂きまして誠に有難う御座います。