458.トキメキの1970年代.レイスリー.ZERO.18 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
大学生活最後の年が始まった、だがワタクシはしょげていた、教職に必要な単位を落としてしまったのだ、同じ教授に3年間連続で落とされるとは、ワタクシのエロ教師、いや熱血先生への道はこの教授のせいで呆気なく閉ざされてしまう事になった。



だが、あくまで前向きなワタクシだった、もしワタクシが教師になる=女子高生と付き合う=子供が出来た為に結婚する=3年経って女子高生の教え子と不倫する=バレて妻は出て行く=不倫相手と再婚する=更に教え子と不倫する=学校からクビになる=サラリーマンになり同僚に誘われタイスナックに行く=そこの女の娘と不倫し同棲する=タイの女の娘に金をカモられ国に帰られる=今度はフィリピンパブで知り合った女の娘と不倫する=家庭を顧みずフィリピンに渡る=スッテンテンになり35歳にマニラ湾に沈みテラピアの餌になる~、教職に就いていればひょっとしてこんな人生を送っていたかもしれない、ちょっとした歯車の廻り方で人の運命は変わってしまう、今思うに取り敢えず59歳まで生きているので「教師にならなくて良かったカモ!」としみじみと思うのだった~。


秋は枯れ葉が散り、冬は雪が舞い、春に桜が散ろうかという移りゆく季節の頃にワタクシはベンキーや藍場たち数人の仲間たちと学食にいた、当然ワタクシは‘愛しの君,が現れるのを待っていた、だが、そこに意外な取り合わせの二人が入って来たのだ、一人は‘愛しの君,そして、もう一人はカエル顔のゲロ男だ、それも楽しそうに話をしながら「どうして、何故、ホワ~イ!ガマカエルと美女が一緒なんだ~」そしてガマガエル、いやゲロ男(似たようなもんですが)は松葉づえをつきながら此方にやってきた、実は前年の冬に滑れもしないスキーをやり見事に複雑骨折をし久しぶりに学校に来たのだった、
ゲロ男「やあー、みんな久しぶりだね~、元気してた!」


藍場「おーっ、ゲロ男もう大丈夫なの~」
皆が久しぶりのゲロ男に声を掛ける、しかしワタクシにとってはそんな事よりもどうしてゲロ男が‘愛しの君,と仲良く話ていたかの方が気になっていた、
ワタクシ「ゲロ男、あそこに座っている美しい女性を知ってるの?」


ゲロ男「美しい女性?ああ、松川の事か、高校の時の同級生だよ」
松川サナエ、それがワタクシの‘愛しの君,の名前だった、英文科で歳はワタクシより一つ下で出身は東京らしい、
ワタクシ「ゲロ男、お願いだから紹介してよ~」

ゲロ男「えー、今は駄目だよ、教育実習があるし」
そう、ワタクシが単位を一つ落としたばかりに受けれなかった教育実習を藍場やゲロ男は受けれるのだった、そして‘愛しの君,ことサナエ様も1ヶ月の間は教育実習でいなくなってしまうのだった、
ワタクシ「そりは、しょうがないね~、じゃあ帰ってきたら宜しく頼んだよ」


ゲロ男「わかったよ、でも、あんなの全然可愛くないじゃん」


ワタクシ「えっ、お前おかしいんじゃないの、あんなに美しいお方なのに」


ゲロ男「あれなら、隣の娘の方がまだいいじゃん」


ワタクシ「隣の女って、マングースがアクビしてるような顔した女か!?、お前絶対に美的感覚おかしいよ~、なあベンキー」


ベンキー「確かにあれはマングースだな、でも、その隣は可愛いよね?」

ワタクシ「ベンキー、お前もおかしいよ、隣は眠そうな顔したイボイノシシだろ、なあ、藍場?」

藍場「そうだね、イボイノシシに間違いないよ、でも、その前に座ってるなかなか娘はいいよね~」


ワタクシ「えっ、てか、藍場、お前もか、よく見ろよ、あれは単なる長髪のオカマ野郎だろ!お前らの美的感覚どうなってるの~」

世の中はうまく出来ている、人の感覚は異性に限らず皆ちがう、神様は人間を誕生させるなかで感覚という物を微妙に狂わせて作ったのだろう、ワタクシが絶世の美女と思っても10人中5人はそうは思っていない、人に取ってはそれぞれ色々な好みが有るのが一番平和でいいのだろう、皆が同じ感覚で同じ好みなら取り合いになり常に争いが起きてばかりになってしまうだろう、だが人はそんな事はどうでもいい事だとし考える事も少ない、とにかく自分が美しいと思うものや欲しいものが手に入りすれさえばいいし満足する、それは欲と呼ばれる物であり、その大きさにより個人であれ国家であれ争いの火種となり多くの無関係の人を巻き込んでしまう。


ゲロ男「でもレイスリー、松川は付き合ってる男がいたはずだよ、確か東大だったかな」


ワタクシ「えーーーっ、と、と、と、とうだい、って、海の側にある、あれか?」


ゲロ男「古いんだよ~そのギャグ」


ワタクシ「じゃあ、東洋大学の事か?」


ゲロ男「そんな訳ないじゃない」


ワタクシ「まさか、東海大学かな、いや、東京農大か、東北大、東大阪大、東武動物公園、東京タワー、東横線....」


ゲロ男「おいおい、東がつけばいいってもんじゃないだろう、東京大学だよ、東京大学!」


ワタクシ「や、やっぱり、東京大学か~~~」

ワタクシ的には社会に出れば全く学歴など関係なく、社会に出ての能力と学力は明らかに違う、いい学校を出たからといって人を引っ張っぱったり実際に会社の利益を出すのに貢献したり出来るかどうかは全く別ものだ、何を成したか、何を成そうと努力しているかの方が大事だろう、しかし世の中には学歴で地位を得て大した能力もないのにふんずりかえっているアホは結構多い、ただ社会にまだ出ていないワタクシには六大学にいた友人たちを見て大した事ないと思っていたが東大と京大だけは別に見えていた、ワタクシの頭には「だ、駄目だ、東大生では勝てるはずない」ということが浮かんでいた、東大と聞くだけで「ハッハー」と土下座してギブアップ状態だった、が、その時だった
ベンキー「東大生なんか、大した事ないよな、レイスリー」


ワタクシ「えっ、う、うん、そうだな」


藍場「そうだよ、レイスリーなら負けないよ」


ゲロ男「うん、レイスリーだったら大丈夫だ」


ワタクシ「お、お前ら」
見せかけ倒しの臭い友情など「くそ食らえ」のワタクシだが、人生の中でいつも周りにいい仲間や友人達がいてくれた、過去に野垂れ死んでいても不思議でないワタクシに誇れるものが有るならば人生において助けて頂いた方々だろう、この人達に慰められ勇気づけられ助けられて今の自分がある、感謝してもしきれない恩がある、若輩のワタクシで人によっては下らない何処にでもある恋愛だが、この時も仲間たちに勇気づけられた、「たがが東大生に負けられない」とワタクシの心は再び燃え上がったのだった。



いつもご覧頂きまして心より御礼申し上げます。