340.褐色の花嫁.5 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシとブリトニーは錦糸町の側の焼肉屋に入りました、知り合いのタイ人の男が席に案内してくれました。



この店ではカルビクッパとキムチが有れば後は何でもいいワタクシ、ブリトニーは久々の焼肉を「オイシイ、オイシイ」と言ってむさぼるように食べました、
ブリトニー「ネエ、ネエ」

ワタクシ「何、どおしたの?」


ブリトニー「ウーン、ナンデモナイ」


ワタクシ「何、言いたい事があるなら言ってみなよ」


ブリトニー「ウーン イイノ、マタ コンド ハナスカラ」
どうも何か言いたそうなブリトニー、お金の無心ならまずいとワタクシも無理には聞き出しませんでした、しかしアパートまで送って行く途中にあるビルの前を通ると「コッチコッチ」と袖を引っ張られ通行人も通らない物陰に連れて行かれて深いキスをされたのでした、
ブリトニー「フタリ コイビト ディバー?」


ワタクシ「そ、そうだねー」
その時にホテルに行こうと言えばブリトニーは一緒に行ったかもしれません、以前のワタクシならそうしたでしょうが、何故かその時は誘う気になれませんでした、フィリピンにレイアが待っていたからかもしれません、ブリトニーと恋人になればひょっとしたらレイアを捨ててしまう事になってしまう、彼女はタレントではもう来れない状況です、ワタクシが別れようと言えばレイアは食べていけなくなる、それが頭にあったのかもしれません。


かつてワタクシはタイの女性やフィリピーナと三股、四股と恋人となり相手の女性の気持ちを考えずに付き合い彼女たちを捨てていきました、最後はしっぺ返しの如く捨てられたワタクシです、直ぐには変わらないものの少しずつ無意識のうちに相手の事を考えるようになってきていたのかもしれません。


結局ワタクシはブリトニーの店に行く頻度が極端に落ちました、電話がかかって来てもかけ直すこと少なくなり二人は当然結ばれる事はありませんでした、しかし、ブリトニーからサヨナラパーティーだけには来てほしいと電話があり、気が乗らないものの最後だから行く事にしたのです。


いざ来てみると、面白いものが見れました、席に座ってブリトニーがやって来ました、12人いたタレントも残りは今日がサヨナラのブリトニーを含めて5人のみ後は皆アルバイトのフィリピーナのみになっていました、一回目のサヨナラが終わりカラオケタイムになった時に60代前半の初老の男性がステージに上がったのですが、この男性が歌ったのが米国のヒップホップのラッパーでスターのネリーが歌うナンバーだったのです。


「えっ、この人がこれ歌うの?」
実に人は見かけでは判断出来ません、そして世界は広いのです、遊びの世界でも金を持っている人や女性を落とすテクニックを持った人も数多く見て来ました、しかし、この歳でこの容姿(容姿は関係ありませんが)でこれだけの歌を歌いこなす人は見たのは初めてでした、この方は静岡から1ヶ月に一度だけワザワザ錦糸町のこの店にやってこられていたのです、ただ歌が上手いと言うだけでなくリズムの早いラップ調の曲をネリーそっくりに歌ったこの大先輩の相当遊びに労力とお金を使ったであろう人生を思わず見てみたくなる思いでした。


そしてブリトニーと最後の時がやってきました、彼女はアドレスとフィリピンの携帯電話のナンバーをワタクシに渡して「マッテルカラ カナラズ デンワ チョウダイネ」と言いました、しかし、ワタクシは店を出てその紙を棄てました、ワタクシにはこの時女性よりも仕事でした、店に行くのはつかの間の癒しの為に行くようになっていました、下手に彼女に期待を持たしたくありませんでした、会社では女社長との対決が近づいていたのでした。



次回に続きます、いつもご訪問いただき誠に有り難うございます。