247.真夏の街.48 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシは居たたまれないのでワンセットで引き上げるつもりでした、しかしサヨナラパーティーです、ラムは他の客に呼ばれていてなかなか来ません。



やっとやって来たラム、白い衣装に着飾っています、この日はサヨナラパーティーなので主役のラムが白いドレスを選んだので他の女の子たちは赤いドレス、ラムが着た純白のドレスはまるでウェディングドレスのように見えました、この日は怒っている様子はなくワタクシにもニコヤカに微笑んでくれました、彼女も最後は揉めずに去りたかったのでしょう。


ラムはこの店からリクエストされましたが断っていました、ワタクシやネリーに会いたくなかったからかもしれません、
ワタクシ「ラム、体に気をつけて、頑張るんだよ、アコはいつでもラムの味方だからな」


ラム「レイスリーサン、イロイロト アリガトウ」ありきたりな言葉をワタクシに投げ掛けラムはあっけらかんとした態度で去って行きました、それは当然でしょう、彼女に取ってはワタクシは何者でもないのですから、寂しい別れでしたがこの時夕子と別れた時のようなショックは全くと言っていいほどありませんでした、ただ人を愛するという事が出来なくなってしまうのではないかという気持ちになっていました。


ワタクシはこの頃、別の融資の手伝いをし数十万円を得たりバングラデシュのアリからの紹介で外国人たちから多少の謝礼をもらい何度か入官や役所に行ったりしていました、勿論中には女性も含まれていてイミテーションの結婚の相手が連絡が取れない場合、届けを出している役所に一緒に行きチェックしたりという簡単な作業ですが外国人からしてみると日本語も読めないので大変な作業に思えてしまうようなのでした。


ラムが帰り10日後、アリ経由でイライジャの働いている店のコロンビアの女の子を入官に連れて行ってくれないかと頼まれました、過去に数人入官に連れて行った女性はいました、それはロシアやウクライナの女性でしたが、ヒールをはくとワタクシより背が高くなってしまい見下ろされる感じがしてしまい興味が湧くことがありませんでした、これがコンプレックスと言うものかもしれません、しかし、このコロンビア女性は明るくそしてダイナマイトボディーの持ち主なのでした。


このオーバーステイの女性の名前はグロリアと言い5年間日本にいたが恋人の日本人とも別れ、母親が病気な為にコロンビアに帰りたいというものでした、入官に向かう電車の中グロリアは猿の真似をしてつり革に捕まったり、騒がしいのですがその愛嬌に引かれるものがありました、入官につき書類も用意してあったのでスムーズに手続きも進み、飛行機のスケジュールを指定され、10日後にチケットを購入し再び入官に来ることになりました。


帰りの電車の中でも明るく振る舞い明るい笑顔を見せるグロリア、あっという間に錦糸町の駅につき、ワタクシは礼金の一万五千円を受け取りました、何か言いたげなグロリア、ワタクシは「また、10日後ね」と言って彼女と別れました、振り返るとグロリアは笑顔でワタクシに手を振っています、ワタクシを手を振り返してその場を去りました。


その3日後、グロリアから電話が入りました、
グロリア「ナニ シテルノ?」


ワタクシ「いや、シコバテ(シコシコとバテバテのハーフです)だけど」


グロリア「ナニソレ?」

ワタクシ「いやいや、何でもないよ、どうしたの、何かあったの」


グロリア「ウーン、ネエ、ヨカッタラ トウキョウタワー イカナイ」


ワタクシ「えっ、東京タワー!何でまた」


グロリア「5ネン ニホンニイテ イッタコトナイノ オモイデツクリタイ」


ワタクシ「そうなの、思い出かー」
思い出と聞き何故か断る事が出来なくなってしまったワタクシは日時を約束するのでした。



次回に続きます、いつもご来訪頂きまして誠にありがとう御座います。