174.ハルの微笑み.118 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシ「ミユキか、雪子はいるかー?」


ミユキ「レイスリーサン、ウウン、ユキコ デートニ イッテルヨー」



ワタクシは愕然としました、最も愛してる女性が再び売春に行った事を聞いたワタクシは
「ミユキ!、リカコママ はいるか、ママに代わってくれ!」


リカコママ「レイスリーサン、ドウシタノー」


ワタクシ「ママー!雪子にデートさせてるの!」

リカコママ「ダッテ、ユキコチャン デートスルッテ イウンダモン、ショウガナイデショ」


ワタクシ「えっ、...........雪子が、そうか.....わ、わかったよ」
電話を切った瞬間に体から力が一気に抜け落ち、膝から崩れ落ち四つん這いになってしまいました、雪子が売春に行った事でワタクシの心の糸プツンと切れてしまった気がしたのでした、そして拳を握りしめ何発か大地を叩きます
「な、何でだよー、何でなんだよー!!」と叫んでしまいました、小雨だった雨がちょうど強くなりはじめ四つん這いのワタクシを打ち据えました、雪子と初めて会ってから彼女を愛して金銭面で自分でやれる事は出来る事はやったつもりです、しかしそれは男のエゴでしかなかったのでしょう、「お金をいくら費やしても心が通じなければ終わりだ」、ワタクシは雪子との仲は終わったと感じていました、全てに疲れ果ててしまったっていました。


何分か何10分か時間の経過がわからないまま、その場にいると背後に誰か立っている気配があります、振り向くと傘をさした夕子が立っていました、ワタクシが帰って来ないので心配になって見に来たのでしょう
夕子「アナタ ドウシタノ、ダイジョブ?」とワタクシをのぞ見込みます、
ワタクシ「だ、大丈夫だよ、転んだだけだから」
立ち上がると夕子が傘を差し出し二人はアパートにゆっくりとした足取りで戻りました、アパートに戻ったワタクシはまるでマリコさんと別れた時と同じように夕子の肩を抱きしめるしかありませんでした。


雪子を東京に連れて来た時点でこの事態は予測されたことかもしれませんが、本能的にワタクシ自身が決着をつけたかったのか、或いは運命というものにワタクシは翻弄されていたのかもしれません、ワタクシが仕事の仲間と錦糸町という街に足を踏み入れなければハルや夕子、本間さんに出会わず雪子やマリコさんと会う事もなかった、よしえママやリカコママ、カッチャンや江川さん、そして梅津君も違う人生を歩いていたかもしれないのです、まるで始めから決められていたかの如くワタクシはこの頃人生を送っていた気がします。


夕子「ドウシタノ、アナタ?」
うちひしがれたワタクシに優しく声を掛けてくれれ夕子、いや雪子への気持ちが切れて素直に夕子の優しさを受けいられるようになったのかもしれません、
ワタクシ「夕子、ありがとう、優しいなお前は」

夕子「ホント ドウシタノ、ソンナコト イッタコトナイノニ」
夕子を抱きしめるワタクシでした。


夕子と付き合う事で雪子、マリコさんと別れる事になり、そしてハルとサヨナラをする事になりましたが、でも、時がたつと共に少しずつですがやっと正面向いて夕子の事が考えられるようになっていきました、夕子もそんな様子のワタクシといつも一緒にいることで精神的にも立ち直っていき以前ほど神経質な部分は消えていきました。


その後、雪子から何度か電話がありましたが、ワタクシは出ませんでした、ワタクシは夕子の方を向いて行こうとその時決めていました、そして雪子からの連絡は無くなりました、勿論平静を取り戻したとはいえ夕子のチェックは相変わらず厳しくワタクシを完全に信じる事などありませんでした。


ワタクシは一度夕子にどうしてそんなに早く情報を掴めるのかを聞いた事があります、夕子は笑いながらワタクシの写真を錦糸町の10軒もあるタイ.レストラン全てに貼ってあるからと、そしてそれは本当だと彼女は言っていました、ワタクシは本当ならそこまでやってしまう熱い夕子をその時、少しだけ怖く感じていたのでした。



次回に続きます、いつもご訪問いただきまして、心より御礼申し上げます。