170.ハルの微笑み.114 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
新幹線で新大阪に向かうワタクシでしたが、正直まだ迷っていました、取り敢えず雪子に会って顔を見てから決めようと考えていました。


新大阪でおりタクシーで難波のアパートに到着したワタクシを雪子と以前会った事のあるママが待っていました、ワタクシはお金の話を自分からは切り出しませんでした、しかしママがタイの組織に渡したのは本当は280万円だが雪子とは知り合いだから270万円でいいと言い出したのです、ワタクシは本当は250万円で20万円上乗せしていると思っていました、ワタクシが出し渋っているのを読んで先にディスカウントしてきたのです、さすがにタイ人とは言え、だてに大阪に長くいるわけではなく商売を心得ています、それでもワタクシは席を立ち雪子に「雪子、お兄ちゃん帰るから頑張れよ」と本気で帰ろうとしました、根負けしたのかママも「イイヨ 260マンエンデ」と大根の叩き売りのやり取りが繰り広げられました。


本当に帰るつもりになっていたワタクシでしたが20万円安くなった事でつい260万円を支払ってしまったのでした、雪子にはこれまで前回に日本に帰って来た時に300万円、家の代金600万円、そして今回260万円、計1160万円かかってしまった事になります、ワタクシは家の代金はしょうがない、しかし300万円と260万円は何も生まない死に金でした、これを雪子に理解してほしかったワタクシでしたが、しかし多分何度言い聞かせても無駄だろうと思いました、以前にも何度話しても納得した振りをするのですが頭に血がのぼると見境がつかなくなるのです。


帰りの新幹線の中ワタクシ達は必要な事以外は話ませんでした、取り敢えず雪子を今後どうするかを考えていました、2.3日は事務所でもその後はとなると、やはりリカコママの店しか思い浮かびませんでした、事務所に着きワタクシは早速リカコママに電話を入れました、
ワタクシ「リカコママ、久しぶり、元気だった」

リカコママ「レイスリーサン メズラシイネー、ドウシタノー」


ワタクシ「実はお願いがあってね、雪子をリカコママの店で働かせてくれない」


リカコママ「エエー、タイニ イルンジャナイノー!」


ワタクシ「イヤ、来ちゃったんだよ日本に、訳は明日会った時に話すよ」ワタクシはリカコママと次の日に会う約束して電話を切りました。


これで取り敢えず雪子の住まいと仕事先は決まり雪子も同意しました、次は夕子です、ワタクシは弁当を買ってくると雪子に言い事務所の外から電話を入れました、携帯の着信は確実に500回は越えていたかも知れません、
夕子「アナタ ドウシテ デンワ デナイノ、ワタシ ナンカイモ デンワシタヨ!!!!」


ワタクシ「今、大阪だよ、他の人と一緒だよ、仕事だって言っただろう」

夕子「アナタ シンジラレナイヨ!」


ワタクシ「明日の夕方帰るからな、なっ、なっ」
どうにか言いくるめたものの雪子を錦糸町に連れてくればタイ人ネットワークで何時かはわかってしまうのは確実でした、次の日の夕方にリカコママと会うワタクシ達です、
リカコママ「マアー、ユキコチャン ドウシテキタノー」


ワタクシ「知らない、本人に聞いてみてよ」
タイ語で話す二人です、
リカコママ「タイニイルト レイスリーサンノコト シンパイニ ナッチャウダッテ」


ワタクシ「何言ってるんだよ、日本に来ていくら払ってるか解るだろ!!」


リカコママ「マアマア、トニカク ユキコチャン ウチデ アズカルワ」


ワタクシ「頼むよ、ママ」
雪子とは険悪なままでリカコママに預けました、そしてワタクシは夕子の待つアパートに帰るのでした、しかしドアを開けると鬼のような顔をした夕子が立っていました、雪子がタイから日本に来た事を早くも察知していたのでした。



次回に続きます、毎度のご訪問誠に誠に有り難うございます。