103.ハルの微笑み.47 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシが店に行かなくなって2週間が過ぎておりました、仕事の方は大手メーカーが大学病院の建て替えという物件を取り決めレントゲン室、MRI室に関わる資材はワタクシの会社が一括して納める事が決まっておりました、但し販売先はメーカーのトンネル会社になります。


医者とメーカーとの結び付きは当然の如くウラが存在します、ウラというのは医者にいくらバックするかなのです、大手は財務上詮索されない為に下請けを使います、このトンネル会社の社長は元大手メーカーのOBで前のサラリーマン時代にワタクシが飛び込みで売り込みに行き大手メーカーに紹介されて以来13年の仲なのでした、当然この会社から医者にマネーがバックされているはずなのでした。


その社長はワタクシより一回り以上年上で一見おとなしい方なのですが、韓国の飲み屋に良く行っているという噂があり、また多方面に事業を拡げているという話を耳にしていたのです、しかし今回の物件が順調行けばワタクシの会社も軌道に乗るという正念場を迎えていたのでした。


その日ワタクシの事務所には橋川さんと梅津君がやって来て1ヶ月ぶりに3人揃って錦糸町に行く事になっていたのでした、実は梅津君ワタクシとの別れが寂しかったのか会社を退職してしまい今は浪人中なのでした。

ワタクシ「梅津君も無職の自由人か何もしないのは楽だろう」


梅津君「楽ですね~、朝はゆっくり起きれますし、この間なんか24時間寝ちゃって1日損しちゃいましたよ~」


ワタクシ「相変わらず能天気だネエ~、バカに付ける薬はないというけどこれは君の為にある言葉だなー」


梅津君「えっ、レイスリーさんもそう思います、実はボクもそう思うんですよ~」

ワタクシと梅津君とのやり取りを聞いてゲラゲラ笑い転げている橋川さん、そしていつものように前の串揚屋で食事を済ませワタクシ達は錦糸町に向かいます。


前回雪子との店外デートをしたものの雪子の態度に熱が冷めていたワタクシは店に行きたいような行きたくないような複雑な気持ちで店に入りました、席にドカーン座るワタクシの横には雪子が当然のように座りました。

ミユキ「マノーイ、キョウ ワ スーツジャ ナインダネー」


ワタクシ「クビだよ、ク.ビ、仕事出来ないからね~」


ミユキ「ソウナノ~、カワイソウー ワタシ タベサセルヨ」


梅津君「えっ、本当に!優しいなミユキちゃんは」


ワタクシ「おっ、良かったねー、ヒモで暮らして行けそうジャン」


梅津君「そうですねー、いいかもしれませんねヒモ」


ワタクシ「君はヒモはヒモでもパンツのゴムヒモしかなれないだろうー」
みんなで笑う中一人ワタクシを睨み付ける人物がおりました、そう雪子です、彼女はワタクシの席についた時から何も話さずずっと大きな目を見開いたまま睨み付けていたのです、
ワタクシ「雪子どうしたの、何睨んでるの、どうして怒ってるの?」


雪子がどうして目を向いて怒っていたのかワタクシには全く解りませんでした。



次回に続きます、毎回ご来場して頂き誠に誠に有り難うございます。