100.ハルの微笑み.45 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシは三度目のタイから帰国しておりました、今回タイの旅行ではハルの田舎であるコンケーンに行きたかったのですが結局迎えにはハルとノイそしてカイという女の子三人が迎えに来ていて一緒に行動しバンコク近辺のお寺詣りや観光地を見ただけに留まりました。


ワタクシは事前にコンケーンに行きたいと言ってあったのです、スケジュールは毎回ハルに任せていたものの今回もハルの田舎に行けなかった事でワタクシの脳裏には田舎で見られたくないものがあるのではという疑念が起こってきていたのでした。


ハルはただ家が余りにも汚いので見せたくないという理由でワタクシが田舎に行く事を拒み続けていました、タイに行った時に問い詰めれば波風がたち旅行がつまらなくなる事でワタクシは聞きませんでした、男がいる、子供がいるの疑念は日に日に大きくなっていったのです。


しかし現在のワタクシが正直に述べるなら当時のワタクシは無意識のうちにハルから遠ざかりたがっていたのではないかと思うのです、そこには雪子の存在があったせいか、そしてその理由を妄想の中で作り上げようとしていたのかもしれません。


3回目のタイから帰ってからワタクシはリカコママの店には週に一度は訪れていました、一緒に行く相手は梅津君や橋川さん、本間さんであったりでした、しかし店の誰も店外デートに連れ出す事はしませんでした、そんなある日、本間さんと二人で店に行った時ミユキがワタクシに付いていました。


いつもはミユキとバカばっかり言っているワタクシでしたが、この店でワタクシとハルの事を知っていたのはよしえママの店で働いていたミユキだけなのでした、ミユキもワタクシが雪子に気がありながら店外デートに出ないのはハルがいるからだと分かっていたのでした。


ワタクシ「なあミユキ、ハルは男や子供がいるのかなあ」


ミユキ「サアー、ミユキ ワカラナイケド レイスリーサン ドウシテ ユキコ ト デート イカナイノ?」


ワタクシ「そ、それはお前ハルがいるからだよ」

ミユキ「ダッテ オカシイジャン、 レイスリーサン ワ ニホンジンノ オクサンモ コドモモ イルンデショ、 ハルワ アイジンジャン ナンデ エンリョスルノ」


ワタクシ「えっ、そう言われればそうだけど」


ミユキ「ソレニ ハル ワ タイニ イルンデショ、モンダイ ナイジャン」

ワタクシはミユキの話を聞いて目から鱗の気持ちになりました、夫婦仲は良くないものの既にワタクシは妻を裏切っているのです、愛人に黙ってデート位したってどうという事はない、何故もっと早く気付かなかったのかとさえその時は思った、いや思い込もうとしていたのでした。


ワタクシは勝手な人間でした自分を正当化し好き放題な事して生きてきた人間なのです、更に周りに迷惑をかけ省みない最低な男にこの時突き進んで行ったのでした、そしてその報いが訪れる事も知らずに。



次回は101回記念として「レイスリーの1日」を御送り致します、いつも御贔屓頂きまして誠に有り難うございます、心より感謝致します。