62.ハルの微笑み.7 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ホテルに入り梅津君とルームナンバーを確認して各々の部屋に入ります、次の日は仕事なので朝一緒に出なければなりません。


部屋に入り風呂の支度をしてくれ、10分程してワタクシを呼ぶハル、服を脱いで風呂場に入るとまたニッコリ笑い体全体をそして大事なところは念入りに洗ってくれます。


洗い終わり一緒に浴槽に入るとお湯が一斉に溢れ目を合わせ一緒に笑う二人、体を拭い浴衣に着替えベッドに行きタバコに火をつけ一服し、それからハルと一時間程話をしました。


ハルの本当の名前、そしてハルの家がどれ程貧しかったか、食べる物がなく山に入り草や実を集め家族で食べた話、年頃になり着るものが買えず13才の時に始めて身を売った話、しかしハルの顔に悲壮感はなく淡々として喋り時折笑みさえ浮かべて話していくのでした。

その時ワタクシは実感がわきませんでした、全く知らない行った事もない国の出来事に「大変なんだ」と思うものの、満ち足りた国にいてぬるま湯に浸かっているワタクシのような一般的な日本人が理解出来るはずがなかったのです、しかしこれから半年程先にタイに渡り本当のハルの悲しみを知る事になるのでした。

話が一区切りしワタクシはハルの肩に手を回します、ハルもワタクシの胸にもたれ掛かり自然と愛撫が始まります、それはこれまで経験した事のない激しい物でした、それにつけワタクシも同じように激しさを増します、ワタクシ逹はまるで野獣のように求め合いました、精気をお互いが吸い付くしそして果てるまで2時間が経過していました。

ハルが「ミテ」と太ももを指差します、見るとけいれんを起こしていたのです、ワタクシの膝もガクガクになっていました、それをお互いに見て笑い合いました。


ワタクシ「ハル.......」

ハル「ナニ」


ワタクシ「いや、何でもない」余計な事を言わないように口を閉じました。
ワタクシが言いたかったのは「これは仕事なんだよな」と聞きたかったのです、しかし聞く事が怖かったのかもしれません。


ハルが勿論仕事だと言えばワタクシの気持ちは急速に萎えて一晩の関係で終わったかもしれません、しかしワタクシはハルの喜怒哀楽の気性の強さに少しずつ、少しずつ引かれていたのでした。



次回に続きます。いつもご来訪誠に誠に有難うございます。