令和の玲!しもだ玲です。

 

今日は、西武線の高架化事業の調査研究等を行なう区議会『交通対策等特別委員会』に出席し、質疑に立ちました。


 

東京都内には1,200箇所

東京の踏切対策基本方針によれば、都内の鉄道網はこの100年で整備が進み、海外の主要都市と比べても高度に発達しているとしていますが、急激な都市の拡大やモータリゼーションの進展、都市計画道路の完成が約6割程度などの理由により、踏切問題はより一層深刻化し、20世紀の負の遺産とまで言われるようになっています。

 

踏切問題は交通渋滞や歩行者の安全対策など、様々な問題が日常的に発生するため、早期解消を目指し、基礎自治体や広域自治体が国と連携して対策に取り組んでいます。

 

鉄道立体交差事業とは

よく耳にする『鉄道立体交差事業』ですが、

都市部における道路整備の一環として、鉄道を連続的に高架化または地下化し、多くの踏切を一挙に除却する事業のこと。

 

この取り組みにより、踏切による交通渋滞の解消や、鉄道により分断されていた市街地の一体化、高架下空間の活用など、周辺のまちづくりに寄与するとされている。

鉄道の踏切を解消するため、高架化もしくは地中化をするための事業を鉄道立体交差事業と称しています。

 

また、踏切解消は、上記で述べたように『渋滞解消』や『歩行者の安全対策』が挙げられますが、別の角度から見れば『踏切内の事故等の防止』も挙げられます。過去、認知症患者が踏み切り内に立ち入り、はねられ死亡するという事故が発生しましたが、こうした悲しい事故を防ぐ取り組みでもあります。

 

以上の理由だけでも区民から選ばれる立ち位置が異なる議員たちが、全員集まっても『反対』という意見は出ません。

 

「反対している議員がいる!」とお聞きすることがありますが、これは賛成派議員たちのミスリードです。きちんと伝えるのであれば、『高架化』or『地中化』という方針で意見が分かれることがあります。

 

練馬区内は該当2路線

練馬区内の地上部を走る鉄道は2路線で、『西武池袋線』と『西武新宿線』です。

 

完成している路線は『西武池袋線 桜台駅~石神井公園駅』となっており、石神井公園駅からお隣の大泉学園駅の手前までの区間が高架化完了しています。

 

鉄道立体交差事業の進み方

「いまどうなっている?」と聞かれることがたびたびあります。事業フローは以下の通り。

 

①鉄道立体化の検討対象区間

②事業候補区間

③準備中区間

④事業中区間

 

と4段階となっています。練馬区内の該当箇所は、

 

①西武池袋線

(椎名町駅~桜台駅付近)

(大泉学園駅~保谷駅付近)

 

④西武新宿線

(井荻駅~西武柳沢駅間)

 

※令和6年4月時点

以上となっています。とくに桜台地域はもうかなり昔から話題に挙がっていたと思いますが、まだ検討という初段階なんですね。

 

また、『大泉学園駅から保谷駅付近』の区間については、残念ながら進捗はありませんでした。

 

 

区は「西武新宿線の井荻駅から柳沢駅間にまずは注力」としていますが、当該路線のプライオリティは下げないよう強く求めました。とくにこの区間の渋滞はひどいもので、立体交差事業が進まなくても解消する策を区と話し合っています。

 

高架化のポテンシャル

鉄道の『高架化』or『地中化』はそれぞれに長短あって、一概にどちらが良いかとは示せないのが難しいところです。

 

ただし、『高架化』にした場合、『15%ルール』というのがその基礎自治体(練馬区)に適用され、事業区間の高架下の15%を活用して、様々な運用ができます。

 

 

現在、活用されている一つ、『富士見台駅から練馬高野台駅』区間に設けられている『富士見台駅自転車集積場』については、機会があるたびに利活用を求めています。

 

写真を見る限り、空きスペースが広くフル稼働しているとは言えません。

 

高架下の活用は所有者である西武鉄道と協議の上、決めているとされていますが、事業開始当初とニーズが変わっていると思います。時代の変化にあわせ見直しがされるよう、本日も求めました。

 

東京都の本気度はいかに

鉄道の立体交差事業は東京都の管轄として進められています。従って、今日の議会でも「お願い」レベルでしか求めることができず、東京都の進捗を「区は把握しているか」のチェックをすることしか、私たち区議会議員が質疑できる範疇となっています。

 

少しでも前進するように東京都をはじめ、都議会議員たちに期待するしかないのです。