令和の玲!しもだ玲です。
5月13日の参議院決算委員会で、
立憲民主党の国会議員が
地方議会議員の「なり手不足問題」について
質疑を行いました。
その中で、
「国会議員の年金も復活すべきだと思っている」
との発言があり、
議場内では笑いも起きたと報じられています。
また、地方議員についても、
地方3議長会が求めている
「地方議会議員の厚生年金加入」
について、政府へ積極対応を求めました。
そして、
この問題は国政だけの話ではありません。
練馬区議会においても、
『地方議会議員の厚生年金加入のための
法整備を求める意見書』
が、提出され、
・自民党
・公明党
・立憲民主党
・共産党
・未来会議
・都民ファーストの会
・国民民主党
・インクルーシブな練馬
・参政党
・わいわ新選組
→8会派42名の議員の賛成をもって可決。
私は最前列の真ん中
練馬区民の代表である、
練馬区議会の意見書として
国会に送られた事実があります。
「自身や家族の将来を憂慮することなく」
という文言。
当時の本会議では、
この意見書に反対の立場で、討論を行いました。
今日は、その理由も含め、
この問題について整理したいと思います。
■なり手不足は“事実”です
まず前提として、
地方議会議員のなり手不足は、
実際に全国で深刻化しています。
特に町村部では、
・無投票当選
・定数割れ
・候補者不足
が相次いでいます。
これは地方自治にとって、
決して軽視できる問題ではありません。
総務省資料より引用
議会は、
行政を監視し、
税金の使い方をチェックし、
地域課題を政策に反映する機関です。
その担い手が減ることは、
民主主義そのものの弱体化にもつながります。
■「だから厚生年金」は別問題
一方で、
「なり手不足」
↓
「だから厚生年金へ加入」
というロジックには、
かなり慎重であるべきだと私は考えています。
地方議員年金制度は、
平成23年に廃止されています。
背景には、
・市町村合併による議員数減少
・制度維持困難
・財政悪化
がありました。
しかも、
制度廃止後も、
既存受給者への支払いは長期間続いています。
累計公費負担は
約1兆1,400億円規模とも言われています。
つまり、
「一度維持できなくなった制度」
という事実は、
重く受け止める必要があります。
■練馬区でも新たな区民負担が想定
今回の厚生年金化については、
全国ベースで約200億円規模の
新たな公費負担が発生すると試算されています。
そして、
練馬区議会だけでも、
年間約5,000万円規模の区民負担増になる
可能性があるとも言われています。
既に税金で旧議員年金制度の
支払いが続いている中で、
さらに新たな議員向け制度負担を
積み増すことについては、
区民理解が必要不可欠です。
■兼業議員では「二重取り」!?
また、地方議員の厚生年金化については、
兼業議員との関係も大きな論点です。
現在でも、
・会社員
・団体職員
・法人役員
などを兼業し、
既に厚生年金へ加入している地方議員は
少なくありません。
そのため、
地方議員としても厚生年金加入対象となれば、
結果として
「二重取り」に近い優遇状態になる
可能性があります。
実際、かつての議員年金制度は、
被用者年金とは別建ての
“互助年金制度”
という特殊な制度でした。
しかも、
・受給資格は在職12年
・他年金との併給可能
など、
「1人1年金原則」の例外的扱いが多く、
これが“議員優遇”である
と批判される要因にもなっていました。
つまり、
制度の歴史を見ても、
「議員だけ特別扱いではないか」
という視線は避けて通れません。
■“議員だけ安心”で良いのか
今回の議論で、
私が最も違和感を持つのはここです。
現在、
・年金不安
・物価高
・社会保険料負担増
・実質賃金低下
に苦しむ区民の方が多くいます。
国民年金だけで
老後不安を抱える人も少なくありません。
その中で、
まず議員側が
「自分たちの年金不安解消」
を優先している姿勢は、理解できません。
憂慮すべき最優先は、
“議員自身やその身内”ではなく、
日本国民全体の生活不安であるべきです。
■「専業化が進んでいる」という説明にも疑問
今回の意見書では、
“議員の専業化が進んでいる”
という表現も使われています。
しかし、
全国市議会議長会の調査では、
議員専業者数は、
・令和3年:8,839人
・令和4年:8,814人
・令和5年:8,659人
と、むしろ減少しています。
つまり、
「専業化が進んでいる」
という根拠自体が曖昧です。
議会の公式意見書である以上、
こうした部分は、
ファクトベースであるべきです。
■本当に必要なのは“議会改革”
また、
「多様な人材確保」
を本気で目指すのであれば、
先にやるべきは、
・ICT活用
・リモート会議
・長時間会議の是正
・子育て・介護との両立支援
・ハラスメント対策
・兼業しやすい仕組み
・議会DX
など、
“議会の働き方改革”
ではないでしょうか。
議員待遇に関する議案の討論は
毎回登壇しています
令和になっても地方議会は、
昭和型運営が色濃く残っています。
そこを変えずに、
「まず待遇改善」
だけ先行すれば、
区民からは
“議員の既得権拡大”
と受け止められる危険性があります。
■地方議員は「労働者」ではない
さらに言えば、
地方議員は、会社員とは異なります。
・タイムカードもない
・雇用契約でもない
・首長の指揮命令下でもない
・独立した公職
です。
つまり、
厚生年金制度の前提である
「被雇用者」
とは性格が異なります。
ここを曖昧にしたまま、
制度だけ会社員型へ近づけることには、
制度論としての課題もあります。
■「国民全体」の制度議論を
もちろん、
若い世代が政治参加しやすい
環境づくりは重要です。
ただ、それは
「議員だけ特別扱いする」
方向ではなく、
国民年金制度そのものの安心感を
どう高めるか、
あるいは、
多様な働き方の時代に合った
社会保障をどう設計するか、
という、
より大きな議論の中で
考えるべきだと思います。
■志茂田の志
地方議会議員のなり手不足は、
確かに深刻な問題です。
しかし、
その解決策が
「議員年金復活」
「厚生年金加入」
で本当に良いのか。
私は、まず先にやるべきは、
“議会改革”
そして、
“国民から見て納得感のある政治”
だと考えています。
「議員だけ安心する制度」ではなく、
誰もが挑戦しやすい議会へ。
そのための改革こそが
必要なのではないでしょうか。
以下、私の反対討論の議事録を添付します。
☆☆☆☆☆☆☆☆
○議長 次に、5番・しもだ玲議員
〔5番しもだ玲議員登壇〕
◆しもだ玲議員
練馬区議会みどりの風として、
厚生年金への地方議会議員の加入を
求める意見書に反対の立場から
意見を申し上げます。
最初に、区民負担の観点から申し上げます。
地方議員の年金は、
かつて互助年金制度として
昭和36年にスタートしました。
当時は任意加入だったようですが、
翌年の地方公務員共済組合法が制定されるに伴い、
互助年金法は廃止されるとともに、
同法に統合され、
全ての地方議員を対象とした
強制適用の年金制度となったようです。
この時点で、
任意といいながら強制に持っていくという
流れに既視感を覚えます。
その後、度重なる改正があったものの、
平成15年から始まった市町村合併により、
地方議員数が3万人減少したことから、
議員年金制度は収入が半減し、
財政悪化の影響によって、
平成23年6月に廃止になったと背景があります。
しかし、廃止といっても既存支給者への
この先50年近く支払いが続き、
公費負担の累計総額は約1兆1,400億円にも
上るとされており、
その原資は全て税金で賄われるため、
既に区民は議員年金受給者への
年金支払いを担わされている実態があります。
さらに、厚生年金化は全国の
地方議会議員を対象としており、
仮に認められた場合、
200億円にも上る公費負担が
発生すると試算されており、
練馬区議会だけでも
年間5,000万円の区民負担が発生すると
推測されていることから、
区民負担をさらに増やすことはやめるべきです。
そもそも、私たち地方議員は
タイムカードを持たない特別職であり、
毎日朝から出勤し、
1日かけて勤務する人たちと
同等に扱うべきではありません。
また、本意見の内容についても疑義を提起します。
1点目、「地方議会の果たすべき役割と
責任は益々重要性を増している」という点に
つきまして、議会の役割と責任の重要性は
誕生以来不変的であり、
この表現は歴代の先輩諸兄の議員の皆様に
対して非礼ではないかと受け止めています。
また、益々と増しているは二重表現と
捉えられますので、
議会の公式な意見書として提出するのには
文書の精査が必要と考えます。
2点目、「議員の専業化が進んでおり」の点に
ついてですが、
全国市議会議長会の市議会議員の
属性に関する調べによれば、
議員専業者数は令和3年が8,839人、
4年は8,814人、5年は8,659人と
専業者数は減っており、
専業化が進んでいるという
ソース自体が不明なことです。
3点目、「自身や家族の将来を憂慮することなく」
という点についてですが、
憂慮すべき対象は私たち議員だけではなく、
国民年金に加入している全ての人たちです。
現在、国民年金の加入者で、
かつ将来が不安という人たちに対し、
国は付加年金制度、
国民年金基金などの利用を勧めており、
私たち地方議員も憂慮するのであれば、
同じように今勧められている制度を
活用するべきです。
それでも憂いがなくならないのであれば、
国民年金制度自体に問題があり、
その解決に尽力するべきです。
何よりも憂慮すべき最優先は、
議員自身やその身内ではなく、
日本国民であると私は考えております。
4点目、「多様で有為な人材の確保」
という点についてですが、
厚生年金ではないと自分の身や家族が心配
という人材が有為とは思えません。
また、地方議員は兼業が認められているため、
会社員として厚生年金に加入している議員もおり、
地方議員の厚生年金化がされると
二重取りとなる議員待遇の優遇化につながります。
一般的に考えられる
有為な人材の確保のためには、
ICT活用、リモート会議、長時間会議等の
是正など、議会の仕組みを変えることが先決です。
まだまだ指摘事項は多くありますが、
時間の関係上、割愛します。
以上で、当会派としての反対討論を終わります。
御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
以上
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