令和の玲!しもだ玲です。

 

議会閉会後、地域活動を通じて『議員報酬UP』について厳しいご意見をいただいておりますので、ブログでもご報告します。

 

■年間119,910の増

先般閉会した、区議会第一定例会では、3月5日時点で追加議案として『議員報酬UP』の議案が区長より提出されました。

 

 

■審議会からの諮問

今年の1月30日に議員等の報酬等の額および定め方の適否について、報酬審(練馬区特別職報酬等および議会政務活動費審議会)に諮問したところ、2月16日に答申があったとのこと。

 

この答申を尊重し、議員等の報酬UPのための条例改正を区長が議会へ議案として提出したのが流れです。

 

■答申の中身(議員部抜粋)

月  額 : 0.30%の増

期末手当 : 0.10%の増

現  在 : 615,000円

改  定 後 : 616,800円

年  間 : 119,910円の増

・・・という内容でした。

 

これが高いか安いかの考え方は、人によって異なるのかなと思います。

 

■議論が尽くされない議員報酬

最初に伝えるべきなのは、私自身、『報酬を上げることに否定的ではない』ということです。1000円でも上がればその分政治活動の資金にも使えるのでとても嬉しいです。

 

しかし、議員自らの待遇は、区民に開かれた形で議論を重ねるべき!というのが持論で、さらに議会に関する『経費』の見直しがセットで行われるべきと考えています。

 

ところが、昨年の区議会議員選挙が改選されて以降、主要会派の幹事長も務めていましたが、報酬に関する議論は一度もありませんでした。

 

■区民に見えないように

昨年の改選後から議論がなかったことや、3月5日に議案としていきなり議会に付託されるというのは、「区民に見えないように報酬あげようとしている」と言われても反論をどう考えても出来ません。

 

また、別の区でも報酬については昨年から賛否が分かれているようで、お隣豊島区は『議員提出議案』という形で議決されたとのことです。一方練馬区は『区長議案』という形。

 

『議員提出議案』は、議案を議員が主体的に作成。

『区長議案』は、議案を区長が作成。

 

この仕組みをみても、「区長から出されているから私たちが考えたものではない!」と受け取れ、報酬に対するクレームを回避したい議員たちの意図が見え隠れすると思います。

 

報酬UPしたいのであれば、議員サイドから責任持って『議員提出議案』として議会に提出するべきだと思います。

 

■報酬審の答申について

今回の答申を出した練馬区の報酬審ですが、区が民間から採用したあくまでも『第三者機関』という位置づけで、ここに諮ることで『民意を確認した』というロジックになっていました。

 

ところが、答申の中身では、

①区財政を取り巻く環境が先行き不透明ななかにおいて、職務が広範にわたるとともに増大していること。

 

②住民要望を的確に区政に反映させるため、閉会中も各委員会が開催されていること。

 

③議案・請願・陳情等の議会で審議する案件も広範多岐にわたり、審議する委員会の開催回数は特別区のなかで上位となっていること。

 

など、多角的な理由が挙げられていました。

 

私の考えは、、、

①職務が増大するのであれば、まず活動のための調査研究費、いわゆる政務活動費の増額を議論すべきで、私用となる報酬は別物と考える。

 

②定例会のみならず、閉会中も委員会が開催されることから、報酬は日当ではなく月額制にしていること。

 

③確かに他区と比較すれば多いかと思うが、極端に多いというわけではないこと。また、陳情の取り扱い方が昨年の改選後に変更されたが、質疑の時間が長くても日数に変動があまりないこと。

 

それ以外も答申の中身を確認したところ、報酬を上げなければならない説明に対し、自身の疑問を払拭できませんでした。

 

答申上では多角的な意見があったように受け取れますが、選ばれた各委員さんたちによって、どのような議論がされたのか確認しようとしたところ『議事録は非公開』ということが反対の姿勢に拍車をかけました。

 

■先行き不透明な区財政なのに

区議会では、練馬区の財政は先行き不透明な状況が続くと毎年のように各会派が意見されていますが、そのような状況なのに現行の年収1,100万円よりも上げたいというのはダブルスタンダートではないかと思っています。

 

また、この間にも賛成サイドの議員たち(Q)からご意見もいただきました。それに対し、私の意見(A)はというと、、、

Q:子育て大変だから報酬上げるべき。

A:お構いなく。今のままでも充分出来ています。

 

Q:物価高だから。

A:苦しいのは議員だけではありません。

 

Q:報酬増額は質の高い議員を産むことに繋がる

A:自分が質が高いとでも?議員の質は選挙を通じて、有権者が評価するもの。

 

Q:どちらでも良い。増額数百万程度の事で騒ぐな。

A:どちらでも良いのに反対出来ないのはなぜ?

 

…まだまだ、意見をいただきましたが、すべてにおいて報酬アップに納得できる意見はありませんでした。

 

なかには、「民間は賃金上昇に努めているので、議会が水を差してはいけない」というご意見は理解できましたが、議会が報酬を上げても民間は追従しないことは歴史をみても明です。例をあげれば、育休や産休は国会、都議会、区議会の各議員が率先して取得していましたが、その効果の検証は誰も行っていません。※ちなみに民間は産休・育休を取得した場合は、給料の満額支給はありません。ところが、議員は満額支給となります!

 

■賛成討論にも立たない議員たち

議会に提出された議案は定例会最終日に本会議場で議決が行われます。ここで自分の意見と違う議員を説得するための『討論』という仕組みがあるので、議案に反対する意見を申し上げ、賛同を募りました。

 

 

もちろん、これも儀礼化しており、ここで態度を変える議員がいないことも承知です。それでも議会のルールとして定められていること。また過去に自民党の重鎮議員から「討論にも立たない議員は失格」というレッテルをSNSで貼られたことがあるので、相手の土俵にわざわざ上がるため登壇しました。

 

ところが、反対の討論は私と練馬区議会日本維新の会のみで、賛成討論は『誰ひとり』登壇しませんでした。

 

「もともとあんたたちが立てちゅーから立ってんのに賛成討論に立ちもしないのか」かと。

 

怒りは置いといて、自分たち待遇を良くするための自己肯定の意見もいわず、座ったままでハイ議決。それってアリかよっ!

 

つらつら長くなりましたが、こうした経緯があって明確に反対しました。

 

■所属政党の都民ファーストの会は報酬増額に賛成

心残りなのは、区議会議員の都民ファーストの会をまとめきれず、3人いるうち、2:1で『反対を否決』されてしまったこと。

 

先輩議員として力のなさを痛感し情けなく思う一方、これもまた経験として今後に活かせるよう努めます。