サッチャー元英国首相の没後、さまざまな評価がでています。亡くなられた直後は評価が高かったものの、その後は辛口の論評が多い気がします。

ニューズウィーク日本版の冷泉彰彦さんの「サッチャリズムが、現代日本の参考にはならない3つの理由」などもそのひとつです。

なるほどと思う部分も多々ありましたが、最後の、

ちなみに、前述のメリル・ストリープの映画ですが、基本的には「アンチ・サッチャー」の立場から作られた映画だと思います。冒頭シーンで、引退後のサッチャーが「牛乳を買いに行く」というエピソードがありますが、サッチャーと牛乳というのは深い因縁があるからです。というのは、1946年にアトリー内閣が実施した「子供たちの給食におけるミルクの無償配布」という法律をサッチャーは廃止したために、サッチャーは「ミルク・スナッチャー(牛乳を強奪した人物)」というニックネームを付けられているからです。

 もっと言えば、韻を踏んだ「マギー・サッチャー・ミルク・スナッチャー」という表現まであるそうです。こうした前提からすると、「サッチャーがミルクを買いに行って、値段が高いので小さなサイズにした」という映画の冒頭のシーンは、強烈な皮肉以外の何物でもありません。政治的映画というのは、そうした意味です。


という部分ですが、牛乳のエピソードはおもしろいのですが、ボク個人はアンチ・サッチャーとまでは感じませんでした。政治にこれがベストというものはなかなか見当たりません。ボクはサッチャーが成し遂げた「小さな政府」という考え方がわりと好きなのですが、影の部分も確かにあると思います。しかしその結果から多くのものを学ぶことができるという事実は高く評価すべきだと思います。