しもだ玲

今日の朝刊に「LCCケチケチ作戦」と題して、ピーチ・アビエーション(今年日本で開業する格安航空会社のひとつ)の就航の記事が掲載されていました。

ボクはまだ数回しか海外渡航経験はありませんが、こういうビジネスモデルが浸透すれば、もっと気軽に海外へでかけることができるようになるでしょう。大歓迎です。

しかし、すべてが「いいこと」というわけではないでしょう。スタートしてさまざまな問題点もでてくるでしょうが、時代の変革期にはこういうあたらしい方向性が絶対に必要です。

以下、ネットのニュースを転載しておきます。


ピーチ・アビエーション:関空離陸 LCC元年、幕開け 「競争」も日本上陸



離陸のために滑走路を走るピーチ・アビエーションの1番機=関西国際空港で2012年3月1日午前7時半、大西岳彦撮影

 関西国際空港を拠点とする国内初の格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」が1日に就航したことで、日本の「LCC元年」が幕を開けた。約15年前に欧米で広がった波がようやく日本でも本格化する。高速バス程度の運賃で都市間をつなぐLCC。国土交通省は航空需要増の起爆剤にしたい考えだ。一方、国内の空港で最多のLCC8社(就航予定も含む)が乗り入れる関空はこの動きを契機に、開港当初(94年)からの悲願だった国際ハブ(拠点)空港を目指す。日本の空港事情は、LCCを軸にどう変わるのか。【植田憲尚、三島健二、山田泰正、稲生陽】

 「高い品質のサービスを低価格で提供し、新しい航空需要を掘り起こしたい」

 1日、ピーチの井上慎一・最高経営責任者(CEO)は、関西国際空港から新千歳空港へ向かう第1便を見守った後、興奮した表情で報道陣に意気込んだ。ピーチは17年に年間600万人の利用者を目標に掲げる。関空の年間旅客数1400万人(10年度)の4割にあたる規模だ。

 この日、早速搭乗した城西国際大観光学部の鳥海高太朗助手(航空サービス論)は「売れ残った機内販売の弁当を4割引きで売っていた。従来の航空会社では考えられないサービスだ」とピーチ社の柔軟性を評価した。

 LCCは欧米で95年ごろから広まったものの、日本では成田空港発着枠の制限や高い着陸料がネックとなり、参入が進まなかった。07年にオーストラリアの「ジェットスター」が関空に就航したのが初めてだった。既にLCCの市場シェア(提供座席数ベース)が約30%に達する欧米に対し、日本は国際線で数%程度だ。

 日本でLCC参入が本格化したきっかけは09年、国土交通省の成長戦略会議がLCCを航空需要拡大策の中心に位置づけたことだ。同省は国際線の航空運賃や路線の規制などを撤廃するオープンスカイ(航空自由化)協定を米国や東南アジア各国と相次いで締結。更に成田の発着枠を拡大し、11年に関空への中国便の乗り入れ自由化を認めた。

 外国LCCの本格参入が現実の問題となったため、及び腰だった日本航空や全日空も対策に乗り出した。ピーチに加え、成田空港では今夏、日航が出資する「ジェットスター・ジャパン」と全日空出資の「エアアジア・ジャパン」が就航する。両社は成田や関空でLCCを運営しつつ、羽田や伊丹の収益性の高いドル箱路線はLCCを参入させずに本体で堅持する「すみ分けでパイを広げる」(全日空幹部)戦略だ。

 国内線旅客数は2000年代半ばをピークに漸減傾向にある。LCCの新規参入効果でパイそのものが拡大しない限り、国内線は早晩消耗戦に陥る可能性がある。ジェットスターグループのブキャナンCEO自身も、「厳しい競争になる。生き残れないところも出てくるだろう」という見通しを示している。

 ◇搭乗手続き機不具合で遅れ

 混雑や自動チェックイン機の不具合で、運航初日の1日は福岡、新千歳線の7往復14便で最大63分の遅れが発生したが、安全に関わるようなトラブルはなかった。

 関西空港では、午前7時の新千歳行き初便の搭乗手続き中に受け付けができなくなるケースが数件発生。新千歳空港では午前8時半ごろ、4台のチェックイン機の一部にエラー表示が出て手続きができなくなった。バーコードを読み取れない不具合も重なり、手作業で搭乗券を発行。このため午前9時20分発の関西空港行きが61分遅れ、午後の2便も40~60分遅れた。

 ◇起死回生へ「4番打者」

 一方、関空はピーク時の04年には76都市に就航していた国際線が11年は69都市に減少し、ハブ空港化は実現できそうにない。07年に2本目の滑走路を整備したもののリーマン・ショックや燃料費高騰で便数が大幅に減った。旅客数は00年に2049万人で過去最高を記録して以降伸び悩み、東日本大震災が発生した11年は前期比6%減の1352万人に減少した。

 なぜ関空が低迷するのか。関空は国際線から国内線への乗り継ぎ便が少ない。ピーク時の34都市(96年)から7都市まで減少した。関西経済の地盤沈下に加え、伊丹(大阪)空港と比べて都心から遠く、航空会社にとって収益性が高いビジネス利用が振るわない事情がある。

 国内線は日航や全日空の減便が続き、新規就航や増便はピーチやスカイマーク頼り。国際線も、欧米路線など長距離便の11年度新規就航はチャイナエアラインのニューヨーク便とシカゴなど北米4都市への貨物便就航だけだった。日本総研の岡田孝主席研究員は「関西経済に元気がない状態ではビジネス客は減る一方。関空会社の努力だけではどうしようもない」と指摘する。

 そこで、関空はLCCと貨物線が11年は69都市に減少し、ハブ空港化は実現できそうにない。07年に2本目の滑走路を整備したもののリーマン・ショックや燃料費高騰で便数が大幅に減った。旅客数は00年に2049万人で過去最高を記録して以降伸び悩み、東日本大震災が発生した11年は前期比6%減の1352万人に減少した。

 なぜ関空が低迷するのか。関空は国際線から国内線への乗り継ぎ便が少ない。ピーク時の34都市(96年)から7都市まで減少した。関西経済の地盤沈下に加え、伊丹(大阪)空港と比べて都心から遠く、航空会社にとって収益性が高いビジネス利用が振るわない事情がある。

 国内線は日航や全日空の減便が続き、新規就航や増便はピーチやスカイマーク頼り。国際線も、欧米路線など長距離便の11年度新規就航はチャイナエアラインのニューヨーク便とシカゴなど北米4都市への貨物便就航だけだった。日本総研の岡田孝主席研究員は「関西経済に元気がない状態ではビジネス客は減る一方。関空会社の努力だけではどうしようもない」と指摘する。

 こで、関空はLCCと貨物線が11年は69都市に減少し、ハブ空港化は実現できそうにない。07年に2本目の滑走路を整備したもののリーマン・ショックや燃料費高騰で便数が大幅に減った。旅客数は00年に2049万人で過去最高を記録して以降伸び悩み、東日本大震災が発生した11年は前期比6%減の1352万人に減少した。

 なぜ関空が低迷するのか。関空は国際線から国内線への乗り継ぎ便が少ない。ピーク時の34都市(96年)から7都市まで減少した。関西経済の地盤沈下に加え、伊丹(大阪)空港と比べて都心から遠く、航空会社にとって収益性が高いビジネス利用が振るわない事情がある。

 国内線は日航や全日空の減便が続き、新規就航や増便はピーチやスカイマーク頼り。国際線も、欧米路線など長距離便の11年度新規就航はチャイナエアラインのニューヨーク便とシカゴなど北米4都市への貨物便就航だけだった。日本総研の岡田孝主席研究員は「関西経済に元気がない状態ではビジネス客は減る一方。関空会社の努力だけではどうしようもない」と指摘する。

 そこで、関空はLCCと貨物便を浮揚の柱に据える。新規就航の場合は着陸料が実質無料という優遇策を打ち出し、コストにシビアなLCCや貨物便会社に誘致攻勢をかけている。特にLCCには今秋、専用ターミナルを完成させてバックアップする。福島伸一・関空会社社長も1日、「ピーチの就航で関空は新しい成長のステージに移る。LCCは関空の成長にとって(野球の)4番バッターだ」と力説した。

 ただLCCは客席が狭い中小型機を利用しているため、気持ちよく搭乗できるのは4時間が限度という。このため北米や欧州路線を就航するLCCはないとみられる。

 また、ピーチは国内線を順次拡充していく方針だが、LCCはコストを切り詰めて格安運賃を実現しており「もうからない路線はすぐに撤退する可能性が高い」(鳥海助手)リスクもはらむ。

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 ■ことば

 ◇格安航空会社(LCC)

 夜間発着などで機材の使用回数を高めたり、手荷物の預かり、飲み物や軽食といった各種サービスを有料にし、大手航空会社より3~7割程度安い運賃を提供する航空会社。LCCはローコストキャリアー(Low-Cost Carrier)の略。