WBCに出場した選手はその年のシーズンに苦しむ事が多い。
横浜ファンなら真っ先に思い出すのが2017年の筒香だ。2016年のシーズンでホームランと打点の2冠王に輝き、WBCで4番を打った筒香はシーズンが開幕してから苦しんだ。第1号を放つのに22試合、92打席を要しており、前年のホームラン王が翌年のシーズン1号に最も打席を要した記録を更新したほどだった。
この年の筒香は夏場に調子を上げて8月の月間MVPに輝いたが、前年から成績を大きく落とした年だった。ホームランは44本⇒28本になり65％以下の本数となった。
横浜ファン目線で、同じ4番で牧が被らない訳が無かった。そして牧も苦しんだ。開幕カードは3戦で内野安打1本に終わり、4月12日に第1号が出るまで打点すら上げる事が出来ていなかった。しかし第1号が出た次の試合でマルチ安打を決めて復調気配を見せ、今日の初回に才木の150キロのストレートを完璧に捉えて決勝点となる先制ホームランを放った。
牧は昨年に、交流戦までにホームランを量産して三冠王の可能性があるとまで思わせた実績がある。今日のバッティングは、これからチームを勝利に導く事を強く期待させる内容だった。
【スコアー】
平良の立ち上がり、近本をシンカーで打たせて取ると、中野に全球ストレートを投げ込み三球三振に取り、1人ランナーを出したが、大山にもストレートで押して三振に取る立ち上がりを見せた。
1回裏横浜の攻撃で二死から宮﨑がストレートをセンターに打ち返して12試合連続ヒットで出塁すると、復活の気配が漂ったいる牧が才木の6球目高めのストレートを完璧に捉えて先制ツーランホームランを決めて2対0とした。
平良は復帰戦で好投した時と同じように、キレのあるストレートと変化球で阪神打線を翻弄した。2回には森下をボールになるカットボールで空振り三振に取り、3回は下位打線から2三振を取り三者凡退に抑えると、4回もテンポ良く低めの変化球で中野とノイジーを空振り三振に取った。
しかし続く大山の初球、甘く入ったスライダーをジャストミートされてレフトスタンドに飛び込むホームランで1点返されたが、佐藤を低めの変化球で打ち取り心配ないと言わんばかりの姿を見せた。
平良は5.6回も完璧だった。5回、森下にはストレートで手を出させない見逃し三振、木浪を低めのシンカーで空振り三振に取り三者凡退に抑えると、6回も三者凡退に抑えてマウンドを降りた。【6回85球、被安打2、奪三振10、与四球0、失点0】自己最多の10奪三振を記録。
4月5日の復帰戦と同じく7回から入江がマウンドに上がり、ピンチを招くが森下を素晴らしいストレートで何もさせず三球三振に仕留めた。
8回は伊勢、9回は1点差で山崎がマウンドに上がり、中野の1.2塁間抜けそうな当たりを牧が飛びついてキャッチし素早くファーストへ送球するスーパープレイを見せた。最後はノイジーを打ち取って試合終了
【打撃成績】
冒頭に書いた通り牧は1回にホームランを打つと、4回にはストレートを打ち返してセンターへ抜けるヒットでマルチ。バットが振れている。
宮﨑が初回にストレートをセンターに打ち返して開幕から12試合連続ヒットで出塁すると、6回にもヒットを放ち打率は.444と驚異的で、ホームランと打率はトップのままだ。牧が復調しているので、宮﨑が今の調子を出来る限り維持する事が出来れば、得点力は飛び上がるはずだ。
【投手成績】
平良が復帰勝利を飾った試合と同じリレーになった。横浜ファンなら気が付いている人も多いと思うが、今年の伊勢は打たせて取るピッチングにモデルチェンジしている。
昨年は9.13だった奪三振率が、今シーズンは今日まで6回を投げて奪三振2なので奪三振率は3.00と低い数字だ。意図的にしているのか定かでは無いが、個人的には少し気になっている。
【コメント】
対阪神戦、横浜スタジアムで10連勝となった。2年前からは信じられない結果となっているが、何故昨年のCSで2敗したのか？と思いたくなるのも事実だ。終わった事を言っても仕方が無いので、このまま連勝を続けてほしい。
そして、今日横須賀でバウアーが初登板した。約2年マウンドから遠ざかっていたが、バウアーはブランクの間に「すべての面で強化してきた。もっと力強くなっている」とコメントをしており、ストレートの平均球速を96マイル(154キロ)以上にすると公言して背番号を96にしたくらいなので、本気度は伺えていた。
そして今日、3回にランナーを2人だし一死2.3塁のピンチになるとギアを上げて最速155キロを出し、2者に対して全てストレートを投じて、全て空振りの三球三振に切った。
修正箇所はある。2つの盗塁を決められたが、ランナーは余裕で成功をさせていたので、クイックが苦手なのかもしれないが、今日の所は意識していなかっただけかもしれない。そして3回に見せたピッチングがどこまで持続出来るかも未知数だ。少なくともあと2試合はファームで投げると思うが、万全の状態で1軍のマウンドに上がってくれる事を期待する。
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