東は11勝を上げ新人王を取った翌年から左肘の状態に悩まされ、3年目の2020年2月にトミー・ジョン手術に踏み切った。
リハビリを重ね、2021年のシーズン終盤に復帰勝利を飾り、翌2022年には開幕投手の大役を任されたが本来の投球が出来ず、コロナウィルスの影響もあり、この年は1勝6敗に終わるシーズンで苦汁をなめた。
復活を懸けた今年、オープン戦では立ち上がりのコントロールに悩まされ、一旦は開幕ローテーション争いで大きく後退をしたが、なんとか6枚目の切符を掴み、今日今季初登板を迎えた。昨日同じ手術をした同級生の平良が復帰勝利を飾りお膳立ては完璧だった。
そして首脳陣や選手、同級生の仲間と横浜ファンの期待に応える投球を見せて、新人の時に5勝0敗の巨人を相手に7回89球無失点のピッチングを見せて今季初登板で初勝利を飾った。
この勝利は本人にとっては勿論、横浜にとっても非常に大きな1勝となった。肘の悩みを無くした読売キラーが帰ってきた事で、今シーズンどれだけ巨人を倒し、どれだけチームに貯金を作ってくれるのか。そして昨年はリーリーフでしか登板が無かったポストシーズンでどんな投球を見せてくれるか、笑われてしまいそうな妄想だが、楽しみが増えて幸せな気分にさせてもらった。
【スコアー】
初回、東の立ち上がり、ストレートに威力があり吉川のバットをへし折り、丸には8球を要したが、最後はキレのあるストレートで空振り三振に取り三者凡退で締めた。
2回表、先頭の岡本にヒットを打たれたが、続く中田に3-0から最後は148キロのストレートで空振り三振に取るピッチング。その後ブリンソンに左中間を破られたが、打ったブリンソンがサードに向かったので、サードで止まりかけていた岡本は慌ててホームに向かいタッチアウト。その後ブリンソンはアウトカウントを間違えたのか、ベンチに引き下がるところをタッチしてスリーアウト。これは大きかった。
この回以降はルーキーの東に戻ったようなピッチングだった。4回は先頭の長野にツーベースを打たれた後、2死3塁のピンチとなったが岡本にストレート投げ込み空振り三振に取るピッチング。
5回裏、関根が四球で出塁後ランエンドヒットが内野ゴロで1死2塁となり、オープン戦で打撃好調だった山本がレフトへのヒットでチャンスを広げ1死1.3塁の場面で東が打席に入った。東はボール球を見逃し横川を追い込んでいった。そしてフルカウントから三塁線にバントをし、岡本がファーストへ送球したと同時に関根がスタートをしてホームを奪った。関根の走塁は神がかっている。そして去年からの走塁改革と関根の勇気が大きな先取点となった。
東は7回もマウンドに上がり代打の松田をチェンジアップで空振り三振に取り、丸にはカッターで三邪飛、そして岡本にチェンジアップを打たせてライトフライに打ち取るピッチングを見せた。
7回裏、横川から交代した船迫を足とバントと四球で追い詰めた。2死1.2塁の場面で東に楠本を代打に送ると、一本足打法が炸裂した。3球目のストレートを振り切りライトスタンドへぶち込むスリーランを決めて感動の3点追加となった。
4点差あったが8.9回を伊勢と山崎の磐石リレーで見事な完封勝ちで連勝を飾った。
【打撃成績】
マルチを打った選手はいないし盗塁を決めた選手もいない。内野安打と犠打と走塁で先取点を奪い、内野安打と四球でランナーを貯めてからのスリーランで7安打4得点と理想的な攻撃だった。開幕カードで見せつけられた阪神の走塁を、横浜が次のカードで巨人相手にやってのけた。
宮崎の2打席目、ストレートをレフトファンス直撃のツーベースで開幕6試合連続安打。殆どの試合で長打を打っている。牧が復調すれば得点力が上がるので、出来る限り今の調子が続く事を願う。
そして何といっても楠本だ。ミート力は横浜トップクラスの楠本は開幕から14打席無安打で苦しんでいたが、あの場面で好投の東の代打で打席に立ち、物凄い集中力でホームランを放った。楠本の調子が戻り関根が今の調子を維持出来るのなら、ファースト佐野、レフト関根、ライト楠本が出来る。勿論ソトの復活も心の底から待っているが。
【投手成績】
盤石リレーで三投手いう事なしの出来だった。
【コメント】
2軍で昨日は今永が5回67球、今日は大貫が6.2回99球を投げた。今永はあと1試合は2軍で投げそうな球数だったが、大貫は来週に1軍で登板するだろう。そうなると来週の1軍は5試合なので平良が今日抹消されたが、もう一人抹消される可能性が高い（中継ぎに回す可能性は低い）。
今までの投球内容を見ると明日からの中日戦で先発する誰かが対象になりそうだ。明日が中止になった場合、ガゼルマンはそのまま2戦目に投げそうだが、3戦目に石田が投げるような気がする。ガゼルマンと石田がQSを達成するくらいの内容であれば、そのまま笠原が抹消になってしまうのか。
