ジェフリー・スミス氏の講義は、ヒポクラテス・ヘルス・インスティテュート(以下HHI)在学中にも何度か聞いており、今回はさらに理解が増しましたような気がします。2014年、HHIでの夕食時に同じテーブルに座ったので、彼の著書にサインも頂きました


"Safe eating"
彼の来福は、Facebookでの彼の投稿「Near Fukuoka, Japan Feb 20, 2016」で知り、「旅行ですか?調査ですか?」の質問に、「I speak tomorrow at an event sponsored by the Green Coop. Perhaps you can make it.」との彼の返信で行くことに決定!
平日のお昼にもかかわらず、福岡国際会議場はほぼ満員状態でした。
遺伝子組み換え作物の研究者「天笠啓祐氏」の話も素晴らしく、日本語字幕付きのジェフリー氏の遺伝子組み換え作物についてのドキュメンタリー映画「ジェネティック・ルーレット」もとても分かりやすくよい復習になりました。
【9つの主な遺伝子組み換え作物】
ジェフリー氏の映画の中で特に注意を呼びかけているのが以下9つの食品です。
1 大豆
2 コーン
3 コットン
4 キャノーラ
5 ビーツ (砂糖用)
6 パパイヤ (ハワイ)
7 ズッキーニ
8 Yellow Crookneck Squash
9 アルファルファ (干し草用)
米国遺伝子組み換え作物の生産高(コロラド大学の資料より)
米国では、綿実、テンサイ、大豆、トウモロコシ、キャノーラは90%以上が遺伝子組み換え!
恐ろしい!

【日本の遺伝子組み換え作物消費量はトップクラス】
一番ショックだったのが、天笠氏のいう数字で明確にされた「日本の遺伝子組み換え食品の食卓に出回る割合」でした。食糧の自給率が低く、電化製品や自動車などを輸出しているだけに、代わりに食べ物を輸入しなければならないのが現状のようです。
天笠啓祐氏の資料より
遺伝子組み換え作物のほとんどが加工され形を変えていきます。
どのような食品になっているかというと、
●ナタネ:食用油、油製品など(油の絞り滓は飼料)
●大豆:食用油、油製品、醤油など(油の絞り滓は飼料)
●トウモロコシ:食用油、油製品、コーンスターチ(大半を飼料として輸入)
●綿:食用油、油製品、素麺など(油の搾り滓は飼料)
●テンサイ:砂糖(主に飼料、米国では95%)
ほとんどが植物油、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシングなどの油製品となり、他にもコーンスターチ、水飴、アスパルテーム、アミノ酸、大豆タンパク、加工デンプン、ビタミンEなどに形を変えて、精製食品のなかにたっぷりと使われています。日本では、タンパク質の形で残っていなければ表示する義務はなく、また、主な原材料の上位3位以下であり、重量比の5%以上でなければ記載する必要はありません。スナック菓子やアイスクリーム、その他の加工食品にも当たり前のように入っているので、子供たちが食べるお菓子にも気をつけ、購入する前に必ず裏のラベルの原材料をチェックしたほうが良いでしょう。
【遺伝子組み換え作物をネズミが食べ続けた結果…】
(GM=Genetic Modified=遺伝子組み換え)
フランスのカーン大学によって行われた遺伝子組み換えトウモロコシとラウンドアップを使ったネズミの実験では、モンサント社の安全基準を満たしているにもかかわらず、ラウンドアップのみ、遺伝子組み換えトウモロコシのみ、そしてもちろん両方使った場合でも大きな癌化した腫瘍ができています。
この実験では約200匹(通常60-90匹)のネズミを使って行われ、雌のラットでは約4ヶ月後に大きな乳がんを形成。雄のラットの50%、雌のラットの70%が未成熟のまま死んでいます。
写真左:遺伝子組み換えコーンのみ
写真右:ラウンドアップのみ
写真中央:遺伝子組み換えコーン+ラウンドアップ
【GM作物を食べ続けたブタの胃に炎症】
日本の家畜に与える穀物の自給率は26%(2011年農林水産省調査)といわれ、残り74%は海外から輸入しています。遺伝子組み換え食品を食べて育った家畜の肉は、法律上「遺伝子組み換え食品を食べて育てた」と記述する必要はなく、そのまま国産品として出荷されるのです。
ジェフリー・スミス氏の映画の中では、遺伝子組み換え作物を食べて育ったブタの胃がひどい炎症を起こしていることを指摘しています。
遺伝子組み換え作物を食べて育った国産の家畜たちも、このような炎症を起こし、炎症を起こさせる物質を含んでいる可能性がおおいにありそうです。
写真上:遺伝子組み換え穀物を与えたブタの胃袋
写真下:通常の穀物で育てたブタの胃袋
【除草剤ラウンドアップ】
遺伝子組み換え作物には、大きく分けて2タイプあります。
1.除草剤耐性作物+ラウンドアップ(グリホサート系除草剤)
2.殺虫成分含有作物(不味いので加工用)
確かに雑草がないぶん収穫しやすいメリットはありますが...
カーン大学のネズミの実験や炎症を起こしているブタの胃袋を見れば、絶対に安全とは言えそうにありません。
【遺伝子組み換え食品の害を防ぐために】
日本の遺伝子組み換え食品の規制はまだまだ甘く、食用油や醤油など大半の食品が表示の対象外とされています。
ちなみに、台湾では食用油や醤油などタンパク質が含まれないものも表示されるようになり、中国やEU諸国では全品表示義務があるようです。
植物油や醤油は国産(国産原料)か有機栽培のものを選ぶ。加工食品、スナック菓子は摂らない。購入するときは裏の原材料ラベルをチェックする習慣をつけることで多くが防げます。
「有機栽培と表示するものは遺伝子組み換え作物を使用してはいけない」という法律があるので、心配な方は有機栽培のもの、または「遺伝子組み換え作物ではない」を選びましょう。
肉食を減らすことで、遺伝子組み換え飼料の輸入も減りますし、食肉に蓄積された農薬や汚染物質も減らすことができます。加工食品ではなく自然食品を選ぶことで、遺伝子組み換え作物の危険性を最小限に抑えることもできます。
また、畑に撒く殺虫剤で小児白血病の発症率が6倍、除草剤で非ホジキンリンパ腫の発症率が8倍という研究結果もあるので、有機栽培、自然農法、低農薬野菜などの生産者を応援してあげたいですね

遺伝子組み換え作物の危険性を理解し、食の意識が高まることで、また心身ともに豊かに日本を取り戻せると信じています☆彡
参考資料:
○ジェネティック・ルーレット:ジェフリー・スミス氏
○講演会資料:天笠啓祐氏作成
○農林水産省「遺伝子組み換えの表示」http://www.maff.go.jp/j/fs/f_label/f_processed/gene.html
○コロラド州立大学「遺伝子組み換え作物」:http://extension.colostate.edu/topic-areas/agriculture/genetically-modified-gm-crops-techniques-and-applications-0-710/






















