【先生とのやり取り、個別支援のはなし・一年生編】
※来年度3年生になる長男りんたろうの困りと、先生方とのやり取りなどの覚え書き。
りんたろうは
発達性協調運動障害、自閉症スペクトラムの診断を受けています。幼稚園年中組の際に幼稚園で実施された発達検査の結果が80前後。
家庭での困りはお互いに一切感じる事なく過ごしてきたりんたろうだったけど、小学校に入ったらだいぶ困りが出てくるであろう検査内容の凹みだった為、年長になってから小児発達のクリニックに通い、個別相談、OTを受けてきました。
記憶部分の容量の小ささ、耳から入ってくる言葉の処理がうまくいかなかったり、眼球運動をはじめとした、身体の運動の不器用さは顕著で、色や数字などの抽象的な概念の獲得のペースもとてもゆるやか。
言葉がうまく入ってこない為か、ひとの感情や表情、発される言葉の強さや雰囲気などから、相手の感情を自分なりに理解していた為、強い言葉かけや強い誘導に、不安が大きくなる、そんなガラスのハートの持ち主です。
自分の気持ちを言葉で表現する事、状況を言葉で伝える事は苦手中の苦手でした。
そんなりんたろうは、一年生の頃からつまずきは山盛りあり、学校に行けない日行きたくないと泣き崩れる日がいっぱいで、何度も学校ではない居場所をさがそうとしてもいました。
学校には上記の困りを伝えた上で入学。
一年生の担任の先生はこちらが一伝えたら、倍の提案をくださった上、十二分の配慮をして、常に、個別の声かけと、何か心配事はないかの確認を欠かさずしてくださっていました。
わたしは毎日、下校してきた時には「何か心配事は無い?困った事はなかった?」と声を掛けるという事が習慣になっていて、そんな毎日を繰り返す中で、少しずつ、言葉で気持ちを伝える、不安を具体的に頭の中で整理して見る事が出来るようになり、不安が具体化できたら、次は解決策を一緒に練る、次はどうやってそれを先生に伝えるか、をりんたろうのペースに合わせて一緒に相談を重ねていました。
一年生の時のわたしの目標は
りんたろに以下の事を理解させる事でした。
●学校は怖い場所ではないこと。
●先生は怖い人ではないこと。
●先生は出来る人を褒め、出来ない人を叱る人ではないこと。
●手をあげるのは、わかった事を発表する為だけではなく、わからない事を伝えるためでもあること。
●宿題は学校でできなかっ事を出来るようにするのが目的ではなく、学校で理解できなかった事を先生に分かってもらう為のものであるという事。
●りんたろうが出来ない事、わからない事がある事は、りんたろうが劣っている事では無いしみんなそれぞれのペースがある、みんなのペースに無理して合わせる必要はない事。
●先生はそれを理解して、いつもりんたろうの困りを分かってくれる人である事。
●先生は誰よりも解決策を知ってる人、自分の困っている事、出来ない事を隠さず話せば、きっといい案を考えてくれる、信頼していい人。
上記を一年掛けて理解する様に、声をかけ、先生との状況共有を重ねました。
クリニックにも先生が来てくださって、ウィスクの結果を元に、りんたろうの困りを共有、クリニックの先生からの解決法と、学校でできる事を模索してくださいました。
りんたろう自身は
まずは泣いているだけな所から、
わたしがいろいろな例を出して、何に泣いているのかを探り出し、それを言葉にし、どうしたら泣かなくて済むかを、わたしがいろいろな例を出して、その中からしっくりくるものを選び、先生に伝える内容をまとめ、りんたろうの目の前で先生に電話をし、その内容を伝えました。
それで安心できて次の日は学校に行けるようになりました。
次のステップは
今まで電話で伝えていた内容を
先生への連絡帳に書き、その内容を読み合わせ、納得したら自分でそのノートを渡す事をはじめました。
回を重ねる毎に、不安を具体化、明確化させる事が少しずつ少しずつ自分自身で出来る様になりました。
具体化するだけ、わたしと共有出来るだけで安心出来たり、ノートに書いただけで安心できたり、
次第にノートに書いた事を、ノートを渡さずに自分の口で伝えられるようになり、
最終的には困りや不安を感じた時、先生から声かけされるより先に、自分からそれを伝えられるようになりました。
すべては、それを、受け止めてしっかり安心に変える具体的な策で関わってくれた一年生の時の担任の先生のおかげです。
最初の一年、信頼を裏切られる事なく、真摯に向き合ってくださった先生がいてくださった事で、
りんたろう自身の学校に対するイメージがいいものとなり、安定して通える場所になったという事は、非常に大きな土台となりました。
自分の気持ちを
自分の言葉で
伝えたい相手に伝える
それが不安の解消に繋がり
自分の安心に繋がり
先生との信頼関係が出来上がった
そして、
はじめは母を媒介にしていた事から
最後には母を必要としない場面がほとんどになった事は
何より自分自身の自信にも繋がった事と
嬉しく思いました。
先生は親が話せば話を聞いてくれるけど、
自分が言っても話を聞いてくれない分かってくれない人ではなく
先生はちゃんと自分の言葉も聞いてくれる、分かってくれる人になった事は
家庭での安心と共に学校での安心に繋がって、学校が最低限安心していられる場所に繋がりました。
そんな土台となった一年生の1年間に
今改めて感謝します。
いっくんの一年生という1年間にはどんな事が待っているのか。
次は、りんたろう二年生の時の振り返り。