創作陣からのメッセージ｜作曲イ・ナオ【2024ベンジャミン・バトン

2024 韓国ミュージカル「ベンジャミン・バトン」

(뮤지컬 벤자민 버튼／Musical Benjamin Button)

𝙱𝙰𝚂𝙴𝙳 𝙾𝙽 𝚃𝙷𝙴 𝙽𝙾𝚅𝙴𝙻 '𝚃𝙷𝙴 𝙲𝚄𝚁𝙸𝙾𝚄𝚂 𝙲𝙰𝚂𝙴 𝙾𝙵 𝙱𝙴𝙽𝙹𝙰𝙼𝙸𝙽 𝙱𝚄𝚃𝚃𝙾𝙽' 𝙱𝚈 𝙵.𝚂𝙲𝙾𝚃𝚃 𝙵𝙸𝚃𝚉𝙶𝙴𝚁𝙰𝙻𝙳

原作：Ｆ・スコット・フィッツジェラルド『ベンジャミン・バトン数奇な人生』

2024年5月11日 GRAND OPEN！

2024.5.11～6.30

at 韓国ソウル・世宗Mシアター

「ベンジャミン・バトン」創作陣が伝える
舞台の上で繰り広げられる幻想的なベンジャミン・バトン世界の物語📖

💌CREATIVE TEAM LETTER💌

作曲ㅣイ・ナオ

Q1. ミュージカル「ベンジャミン・バトン」の音楽は？

作品の時代背景であるジャズ時代の背景を溶け込ませた様々なジャズ風のナンバーと、人物のキャラクターにより重点を置いたジャンル的な色にとらわれないナンバー、そしてその2つのトーンの組み合わせで構成されたナンバーがあります。

特にベンジャミンのソロやベンジャミンが主軸となるナンバーなどは、ジャズの色合いから少し離れ、ベンジャミンの純粋で想像力豊かな内面を表現しようとしました。

基本的に「ベンジャミン・バトン」のスコアは、温かい感情に集中した音楽を土台に作りました。

そして、その上に様々なエネルギーと色彩を盛り込んだ音楽をのせた形とも言えます。

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↑写真：2021年ステージアップ選定作品リーディングショーケース

Q2. ミュージカル「ベンジャミン・バトン」の作業過程は？

この作品の始まりは十数年前にさかのぼります。

CJ E&Mの開発アイテムとして始まったもので、当時作業されたナンバーは「Sweet Spot」、「사랑한다면（愛しているなら）」、「세상이 알려주지 않은 즐거움（世の中が教えてくれなかった楽しみ）」、「금지는 기회（禁止は機会）」、「놀라지 마라, 그건 저들의 세상（驚くな、それは彼らの世界）」です。

それ以外のナンバーは、2021年のCJステージアップショーケース時に大半が再び作業をされ、2024年の本公演に向け、修正作業のほか、いくつかの新しいナンバーも追加されました。

作業期間が過去十数年間ずっと続いたわけではありませんが、その歳月の中でこの作品が自然に熟成され、新しく生まれ変わった部分があるように思います。

そのすべての時間の過程が、私にとってインスピレーションの源になったのではないでしょうか。

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Q3. 特に音楽で表現ようとした作品やキャラクターのメッセージと、そのメッセージがよく表れたナンバーは？

一番苦労した部分のひとつは、「二人の男女の主人公のすれ違う時間」を音楽的にどう表現するかでした。

どのナンバーや場面よりも、スコア全体を通して表現しなければならない部分だと思いました。

そこで私が選んだのは、二人のすれ違う時間のように、それぞれのソロナンバーもすれ違うエネルギーで表現することにしたのです。

そのため、ブルーのソロナンバーは、最も大胆で激しいエネルギーのナンバー（#2. 넌 됐어（あなたはもういいよ））から、次第に落ち着いて重厚なエネルギー（#8. 세상이 알려주지 않은 즐거움（世の中が教えてくれなかった楽しみ）⇒ #13. 팬레터（ファンレター） ⇒ #21. 불안에의 초대（不安への招待））を表現し、一方、ベンジャミンのソロナンバーは、やや萎縮した少年のエネルギー（#4. 내 몸에 갇혀있어（私の体に閉じ込められて））から徐々に翼を広げていくエネルギー（#9. 사랑한다면（愛しているなら）⇒ #18.Before & After）で表現しました。

そしてその合間に、二人が唯一同じ時間帯に会う場面で「Sweet Spot」ナンバーが拡張された形でリプライズになるのですが、この時だけは最もロマンチックでありながら温かみのあるエネルギーで描こうとしました。

そのほかにも、オープニングナンバーの歌詞には、作品が投げかける核心的な問いかけや感情が込められていると思いました。

音楽としてこれを熱くなりすぎず、あるいは冷笑的でもないように表現しようとしました。

このオープニングのテーマは、カンパニーが見守るという形として、作品全体を通して2回リプライズされるのですが、その都度、物語の流れをうまくつなげられるように微妙な温度差をつけようとしました。

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