Artist: Nithing
Album: Agonal Hymns
Year: 2023
Genre: Brutal Death Metal, Technical Death Metal, Dissonant Death Metal, Avant-Garde Metal
アメリカのワンマンブルータルデスメタルバンドNithingのファーストアルバム。Iniquitous DeedsのドラマーMatt Kilnerによるソロプロジェクトです。2015年にEP「Fetid Reek of Interminable Existence」でデビューして2020年にSyphilicとのスプリットEPを出してます。Matt Kilnerは現在もまだ30才なので8年前のEPから大きく作曲面での進化が見られます。この「Agonal Hymns」はリリース間もなくRYMで高い評価を得ていて既に500人以上がレイティングに参加しています。RYMで高く評価されがちな傾向にあるのは色んな要素がクロスオーバーした音楽なので、最近のブルデスだと例えばEffluenceとかがそうです。Nithingの新作もかなりディソナントでアバンギャルドなので通常のブルデスマニア以外にも届いているようです。ただEffluenceのようにフリージャズに傾いているのではないので、Nithingのがよりダークにテクニカルブルデスとしての黙示録的な世界を築いていると思います。ボーカルスタイルは以前と異なりカエルの鳴き声のような低音でゴロゴロと喉を鳴らすスタイルです。それは何となくカバーアートの口から鳴っているようなイメージが湧きます。曲は割と短めだけどその中で構成は凄く練られていて一度として同じことを繰り返さない徹底的な前傾姿勢です。ブルータリティーを保ちながら限界まで芸術的に仕上げています。トータルで23分半しかないけど情報量は多く楽しいので一生繰り返しリピートしていたいです。