Never Let Me Go | Born of Frustration

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Artist: Placebo
Album: Never Let Me Go
Year: 2022
Genre: Alternative Rock


イギリスのオルタナティブロックバンドPlaceboの8枚目のアルバム。前作「Loud Like Love」から早いもので9年ぶりです。ドラムのSteve Forrestが抜けてBrian MolkoとStefan Olsdalのデュオになっています。前作「Loud Like Love」は2013年の年間ベスト5にも選出し自分は今でも大好きなアルバムだけど世間ではあまり評価されていません。というかSteve Hewittが抜けて新たに若いSteve Forrestが加入してリリースした「Battle For The Sun」でPlaceboがデビューから引いて歩んできたレールから脱線したイメージがあり全盛期のゴシックで耽美でグラマラスな彼らを好きな人からは残念がられていました。「Battle For The Sun」も「Loud Like Love」も決して悪いアルバムではなく特に「Loud Like Love」はシングル曲を中心に魅力的な曲が多かったけど、制作の問題から曲の持ち味が100%伝わってこない印象があり、Brian Molkoの声も明るくなり昔のような色気と毒気がなくなっていたのが惜しい点でした。あれから9年経過した「Never Let Me Go」は嬉しいことに元のレールに戻っていて曲もボーカルも往年のPlaceboを思い起こす部分が多々あります。「Without You I'm Nothing」「Black Market Music」「Sleeping With Ghosts」「Meds」の頃のノイズポップ、ゴシック、ポストパンク、ニューウェーブへの回帰が見られます。さすがに昔ほどの苦悩や攻撃性は感じないけど、その代わり年齢(Brianは今年50才)による落ち着きと包容力のようなものを感じます。実験的な要素も織り交ぜながらも過去を見つめ直して本来のPlaceboらしさを追求したアルバムだと思います。Brian MolkoとStefan Olsdalの二人となったLGBTでアットホームなPlaceboワールドです。ジャンルはオルタナティブロックでまとめたけど、そこには様々な音楽要素が幅広く含まれています。ダークで感傷的な曲も明るく高揚感のある曲もどれもPlaceboです。