The Tipping Point | Born of Frustration

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Artist: Tears For Fears
Album: The Tipping Point
Year: 2022
Genre: Pop Rock, Art Pop, Synthpop


イギリスのポップロックバンドTears For Fearsの7枚目のアルバム。前作「Everybody Loves A Happy Ending」以来18年ぶりのアルバムです。結成から40年を越えるレジェンドなので当然注目もされて自分も期待をしていたけど、期待通りの良い作品です。前作とは違い仄暗くメランコリックな楽曲が多く含まれています。キャッチーでありながら陰影と深みがあるのはある意味80年代のTears For Fearsと同じなので芯がぶれていないことが分かります。時にa-haのようだったりSimple Mindsのようだったり、80年代を彩ったニューウェーブが持つ普遍的な美しいメロディーが耳によく馴染みます。わりとバラエティーに富んでいるアルバムでもあり、1stシングルとして発表されたタイトル曲のダークシンセポップはあくまでアルバムの一部分です。Rivers of Mercyは美メロに心が洗われるようなRoland Orzabalの円熟した素晴らしいボーカルがありベストトラックです。Kscope系のポストプログレに通じる柔らかさがあるけどそもそもSteven Wilsonを始めKscopeのバンドはTears For Fearsをリスペクトしていますよね。だから当然の類似だと思います。Curt Smithが歌うPlease Be HappyはThe Beatlesのようなソフトバラード。Curt Smithのボーカルも昔と変わらず内気で繊細なので、この二人のボーカルの色というのはどんなに年月を重ねても褪せていないことに安堵しました。このアルバムは紛れもなくTears For Fearsのアルバムで他のバンドでは決して作れないものなので一点物の特別感があります。Stayの清涼感のある歌からはa-haとAnathemaを思い起こしました。一応Stayで完結するけどデラックス盤に入ってるボーナストラックSecret Locationもまた素晴らしいです。都会的で軽快なソフィスティポップの曲調がRoland Orzabalのボーカルとよく合います。