一歩の勇気
甲子園予選を目前に控え、大怪我を負ったピッチャーの少年(前十字靭帯断裂の高校球児)。
整形外科医によるオペは成功。しかし少年は「もう前みたいには投げられない」と、厳しいリハビリに身が入らない。
リハビリ室で膝を抱えて動かない少年に、こーじがカメラを向けずに、静かに隣に座る。
こーじ:
「膝の痛みは整形の先生が取ってくれたけど、その先の一歩が出えへんのは……脳が『怖い』って言うてるからやんな。」
少年:
「……先生にはわからないよ。元通りになんてなれないんだ。」
こーじ:
「そやな……わからんかもしれん。でもな、俺は元々、脳外科におったんや。……神経の繋がりは、画像上は完璧やで。あとは、お前の心が『いける』って信号を脳に送るだけなんや。その信号を何回も出したら、
脳はそれを「当たり前」やと思うようになる。」
脳はそれを「当たり前」やと思うようになる。」
こーじは少年の足に優しく手を添え、神経の通り道をなぞるように説明する。
こーじ:
「ええか、ここからここへの伝達は、ちゃんと生きてる。今は渋滞してるだけや。……君が今日、この足を1センチ動かしたら、脳はその『成功体験』を絶対忘れへん。……俺が一緒に渋滞、解消してやるから。もう一回、マウンド立とうや。」
数週間後。歯を食いしばり、ようやく補助なしで一歩を踏み出した少年。その瞬間、こーじがずっと隠していたカメラのシャッターを切った。
こーじ:
「(泣き笑いの顔で)……撮ったで! 今の、世界で一番かっこいい一歩や!……これ、現像してお前の部屋に貼っとけ。脳に『俺はできる』って叩き込むんや!」
少年:
「……先生、ありがとう。俺、また投げられる気がしてきた。」
Snow Man総合病院、リハビリテーション科。
リハビリ科医、向井康二が向き合うのは、怪我で夢を絶たれかけた、一人の少年。
『治すんは膝やない。恐怖で固まった、その心や。』
元・脳外科医。
神経の繋がりを知り尽くしているからこそ、
彼は「心」が身体を動かす原動力だと知っている。
震える足で踏み出した、最初の一歩。
その瞬間を逃さずシャッターに収めるこーじの瞳は、誰よりも熱く、優しく潤っていた。
絶望の淵から這い上がる強さを、彼は今日も隣で支え続ける。
痛みという名の鎖を解いて
大きな手術を終えたばかりの患者さん。痛みへの恐怖心が強く、「痛いから動きたくない」とリハビリを拒否し、廃用症候群の危機に。
リハビリ室で頭を抱えるこーじの元へ、舘様が静かに現れる。
こーじ:
「……舘さん……患者さん、痛みが怖くて一歩も動いてくれへんねん。このままだと固まってまう……」
舘様:
(シュッとどこからともなく医療用手袋を出し手にはめ、涼しげな顔で)
「康二、安心しなさい。痛みは私が預かった。……彼の疼痛は私の管理下にある。」
こーじ:
「(舘さん……!かっこええ〜!(心の声)」
舘様は、PCA(自己調節鎮痛法)の調整や神経ブロックを完璧に行い、患者さんの「痛みの閾値」を魔法のようにコントロール。
痛みが和らいだ瞬間を逃さず、こーじが最高に明るく介入する。
こーじ:
「おっ、今いけるんちゃう? 宮舘先生が『痛みは俺が斬った』って言うてたで! ほら、一歩だけ。俺の肩、貸したるから!」
患者:
「……あれ? 痛くない。これなら、歩けるかも……」
数日後、こーじに支えられて中庭まで歩けた患者さん。そこには、なぜか薔薇を飾ったテーブルでティータイムをしている舘様の姿が。
舘様:
「…おめでとう。ここまで歩けた君は、今日からこの人生というステージの主役だ。」
こーじ:
「(小声で)舘さん、演出がすぎるって!……でも、患者さんめっちゃ笑ってるわ。ありがとな、舘さん。」
舘様:
「……礼を言うのは私の方だ。私が取った痛みの先に、君が『歩く意味』をくれたんだからな。」
Snow Man総合病院の「ロイヤル担当」と「ムードメーカー担当」。
正反対の二人が組めば、救えない絶望はない。
麻酔科医・宮舘涼太が、その技術で「痛み」を封印し、リハビリ医・向井康二が、その笑顔で「未来」を動かす。
『舘さんの完璧なペインコントロールがあるから、俺は攻めのリハビリができるんや。』
術後の苦しい時間を、二人は「新しい人生のプロローグ」に変えていく。
ーー次回予告ーー
手術も、リハビリも、
全力で頑張ったその後は……
やっぱり
「腹が減る」。
Snow Man総合病院、
最強の栄養補給基地が動き出す。
次回
食堂のおばちゃん回
―「 今日の定食、愛情大盛り 」―
