幸せホルモン・セロトニン | ラウルイクセンバーグ 『人間とは何だろう?』

ラウルイクセンバーグ 『人間とは何だろう?』

『人間とは、究極は何だろう?』
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幸せホルモン・セロトニン
 心地良い睡眠には欠かせないメラトニンは、セロトニンと酵素から作られます。
 セロトニンは脳内の「ほう線核」で作られる神経伝達物質で、ドーパミンやノルアドレナリンといった暴走気味の元気なホルモンを抑制するはたらきもあります。
 セロトニンは、納豆やチーズなどの発酵食品に多く含まれる必須アミノ酸の一種で、トリプトファンから生まれますが、その90%は小腸内のぜん動運動にも関係し、8%は血小板で止血作用などに関わっています。そして、残りの2%が脳内ありますが、記憶や学習効果という重要なはたらきに関係しているのです。
 交感神経と連動し、体内時計や記憶力にも関係するこの神経伝達物質は、メラトニンと共に注目されてきました。セロトニンは心の安らぎに関係し、自分が好きなことをしている時に出ることから、オキシトシンとともに「幸せホルモン」と呼ばれています。このホルモンが不足するとキレやすくなったり、逆にうつ病を招き、集中力の欠如や不眠とも関係してきます。
 セロトニンが不足する原因は、運動不足、不規則な生活、加齢などがありますが、生活形態の急激な変化への不適応といったものもその一に挙げられます。
 
 世の中にセレブと呼ばれる人は星の数ほどおり、その特徴や資産規模も様々ですが、一部の特異な例外を除いて彼らのライフスタイルにはセロトニンを出すような要素が多く見られます。
 その多くが人生を肯定し、ヨット、ダイビング、登山、秘湯巡り、ワインのコレクションなどの趣味を持ち、積極的に一日一日を楽しんでいます。

 「集中」と「ゆるみ」のバランスの取り方がうまく、中には仕事と遊びの区別がつかないような「自由な」生き方をしている人もおり、それがビジネスにも良い影響をもたらしているのです。
 
 私の知人にリートの先駆けともいえる社長がおり、多い時には地方の拠点都市を中心に、数十棟のビルとホテルを所有していました。
 ロールスロイスを運転する穏やかな所作は、一見、裕福な家庭の出身と見られますが、学生時代にはアルバイトで学費を払っていた苦学生で、ある時、偶然、二つの飲食店の管理を任されたことがきっかけでリートの先駆けとなる事業を考えつき、そのアイデアを結実させて事業を拡大していったのでした。

 投資家がその資力に応じて出資しやすいようなユニークなシステムを考案したのも、とても早かったのです。
 ある時に、地方都市にあるホテルでお会いした時に、「今度このビルを建てようと思っています」と、ビルの設計図を嬉しそうに見せてくれたその顔は忘れられません。その姿そのものに「幸せホルモン」を感じてしまいます。
 
 皆様も「幸せ感」を生むことにフォーカスした生活を考えてみてはいかがでしょうか。