バカは夜明けによく笑う(仮) -13ページ目

水の上を歩きたい

去年の夏、僕は子供の頃からの夢に挑戦し、儚くも現実の前に敗れ去りました。
そう。夢とはタイトルの通り『水の上を歩く』ということです。

誰もが子供の頃プールの上を歩こうとしてみたのではないでしょうか。

大人になった今なら子供の頃にはなかった知恵をしぼって水の上を歩けるのではないだろうか。
そんなことを思いました。

というわけで友人を道連れにして深夜のファミレスにて作戦会議をしました。

もちろん生身の体だけでは水の上に立つことはできないので、何かしらを装備しなければなりません。
必要なのは体を浮かせるだけの浮力。

手軽に手に入る浮力のあるものは何か?
大人の知恵を振り絞った結果、ペットボトルに行き着きました。

とりあえず一本じゃ浮力が足りないから、足の裏にペットボトルをいっぱい付ければ水の上に立てるんじゃないかということになりました。

イメージとしてはこんな感じです。

バカは夜明けによく笑う-水の上を歩く


というわけで、コンビニの店員に「ゴミ箱の中のペットボトルをもらっていいですか?」と聞いては、白い目で見られ、「何に使うんですか?」と聞かれては「大人の工作です...」とはぐらかし。

「サーフィンすらやったことないのに無理じゃない?」という友人の言葉には耳を塞ぎ。
ペットボトルが集まった頃に「足の裏にビート板を着ければいいんじゃね?」と気づいた自分は無視して、

頑張って集めた2リットルのペットボトルの数60本。

しかし、まだまだ問題は山積みでした。
一番の問題はペットボトルをどうやって足の裏にひっつけるかでした。

ペットボトルと足を布テープでぐるぐる巻きにすればいいと思っていたのですが、その状態で転んだ時のことを想像すると悲惨な光景が頭に浮かびました。

バカは夜明けによく笑う-溺れる


足に付いたペットボトルのせいで足ばかり浮き、逆さの状態になり溺れるという光景です。

これはまずい。
危うくペットボトルに殺されるところです。
『夢のために死んでいった』と聞くとカッコよさそうですが、たぶん『ペットボトルに乗ろうとして死んだ大人』として一族の恥になります。

この辺りの危険察知能力の高さが自分でも大人だなと思います。
きっと子供の時だったら布テープでペットボトルと足をぐるぐる巻きにして、この絵のように溺れていたことでしょう。

考えた結果、足から外したい時はすぐに外れるようにサンダルを使いました。

ペットボトルとサンダル、それらを使って出来上がった『水上歩行マシーン』がこれです。

バカは夜明けによく笑う-水上歩行マシーン


そして、このマシーンで水の上を歩けたかというと、
最初に書いたとおり現実は厳しく敗れ去りました。

失敗した原因はまず布テープが途中でなくなったこと。

そして、川の流れが思った以上に凄まじいということ。
自然の力をなめていました。

本当はプールで実験したかったのですが、この水上歩行マシーンをプールに持っていけば間違いなくちびっ子たちと監視員が熱い視線を送ってくるので断念しました。

海も考えたのですが、サーファーがいたら奴らはかっこいい板に乗ろうとしているのに、その横でペットボトルに乗ろうとしている自分の姿を想像したら、とてもじゃないですが海まで行く気にはなれませんでした。

そんな理由で人のいなさそうな川で試したのですが、普通に泳ぐ事すらままならない川の流れの中でマシーンに乗るなんてとても無理でした。

この水上歩行マシーンも何度も流されていきました。
しかし、ちゃんとマシーンには命綱をつけておきました。

この辺りの危険察知能力の高さが自分でも大人だと思います。
子供の頃だったらマシーンを流されて、今までの努力がまさに水の泡になっていたことでしょう。

そんな川の流れの中、水面に浮き出たこのマシーンにどうやっても乗れませんでした。

え?このマシーンを地上で履いてから水の中に入っていけばいいって?

それも試したのですが、見ての通りこのマシーンはプラスチックです。
地上で履いたものなら、夢と共にペットボトルもバキバキと音を立てて崩れていきます。


そんなこんなで去年の夏に敗れ去った夢ですが、まだ僕は諦めていません。

今年の夏こそ子供の頃からの夢を叶えたいと思います。