世相の激変に戸惑う ◆2歳児お宮の階段て転倒し大出血 ◆M.I氏(享年88歳)の場合
◆2歳児お宮の階段て転倒し大出血 私は幼い時、頭が大きいためデッカンというニックネームをつけられた。 生家の隣に、小学生や幼児の遊び場になっている小さなお宮があ.る。今日も私は、お宮への急階段を1人で上っていた。私は用心のため這うようにして上っていたのだが、なにしろ頭がでっかいので、頭の重心が後方へ移転したのだろう。合う向けに転倒、なにか宙に浮いたような感じになった。以後は記憶が切れ、気がついたときは、しっかり者のお祖母ちゃんが私を背負って必死で走っており、その後ろをお母ちゃんが必死で追いかけていた。それからお医者さんのところへ着くと、頭部を3針縫われたとのこと。おかげで頭の頂上に大きなきっぽが残った。それで済んだのは僥倖だったのかも知れない。 当時は昭和11,年のことで、公園は極めて少なく、救急体制も確立されていなかった。それから30年も過ぎた息子たちが幼児の頃は、公園も整備されており、救急体制も確立されており、私が幼児の時経験したようなことは、まず予想できない時代になっていた。 現在、子ども庁の創設が噂に上っているが、当時こんなことを言ったら、頭がおかしいのではないかと言われるのがオチだったろう。まさに世相の激変がなせる話なのである。◆M.I氏(享年88歳)の場合 今年、88歳で亡くなったM.I氏は、私の従兄で非常に気になる存在である。 彼はマイカーなし、パソコンなし、インターネットもメールも経験なし、携帯電話もなし。趣味は古本の収集くらい。ところが1億円の貯金を達成という偉業を成し遂げる。私にはとうていできないことで、子孫の繁栄のための貢献度では完全脱帽である。 こんな彼が、10年ほど前に手術した胃癌が再発した。現代医学を無条件に信じている彼は、手術結果に完全に信じ切っており、再発ということはまるで想定外だった。このため、手遅れで、すでに末期に入っているため、再手術ができず、抗がん剤を手あたり次第手がけるより仕方がなかった。 ところが、サイエンス至上主義者で、現代医学の信奉者でもある彼は、世界から新しい抗がん剤を取り寄せていけば、必ず治ると確信しているようだった。 抗がん剤は固形癌や転移癌には効かないという話も聞くが、彼にはそんな話は迷信じみた雑談にしか聞こえないようだった。 このようなM.I氏も、万策尽きて先日亡くなってしまった。悪いことに、彼の死後2週間過ぎると奥さんまでなぜか急死してしまった。 彼は、いつも口癖のように言っていた。「世の中が変わるからと言って自分を変えるのは、結局確固とした自分がないからだ」 私のようにいつも朝令暮改をやっている人間は、まるで芯のないぐうたらな人間にしか見えなかったらしい。