プラザグレミオに戻る。

 

 

 

 

 

いろいろなお店がオープンし閉店した。

 

ずっと残っている店は桂香。

 

プラザグレミオで一番古くからの営業で大勢の常連さんに支えられている東北料理店。

 

 

ドアを開けるとマスターはすやすやと眠っていた。

 

かなりお疲れのようだ。

 

どうしようかと考えたけど、

 

「ニーハオ」

 

と声をかけ起こしてしまった。

 

「ああ、ニーハオ」

 

僕はにやにやと笑いいつもの席に座った。

 

誰もいないからテレビはニュースのチャンネルにかえた。

 

 

 

 

 

 

5:35ははやかった。

 

マスターの休み時間を奪ってしまった。

 

鳥吉で一杯やっていたら18時すぎになっていたと思うのだけれども毎回満席では<鳥吉→桂香>というコースはあきらめた

ほうがよい。

 

 

最近はかならずチャーシューを注文している。

 

決めたわけではないのだけれどもなににしようかと思うとチャーシューになるのだ。

 

やっぱりはじめの一杯のあてはつめたいものがいい。

 

マスターは野菜が大好きなのでサービスのおつまみは冬瓜だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の席からのながめ。

 

ずっとかわらないながめだ。

 

 

ごちゃごちゃしたお店だけどとてもおちつく。

 

 

桂香の自慢料理は水餃子。

 

近隣の希望者の方々に水餃子の手作り教室を開いたり、かつては近くにテイクアウト専門の餃子の店をオープン。

 

 

でも最近は水餃子じゃなくて焼き餃子を食べることが多い。

 

 

 

比較的下味はしっかり目なのでお酢だけで食べている。

 

焼き小籠包はサービスだ。

 

小籠包からはたっぷりのおつゆが口の中に。

 

僕からは横浜中華街の話しはしなかったのだけれどもマスターから11月に商店街の旅行で中華街に行ってきたと話しをして

くれた。

 

JK飯店で食事をしたという。

 

すみません・・・店名がわからないようにJKと書いています・・・・

 

というのもたいして美味しくなかったということだったから(笑)

 

実は自分はそのJK飯店で大昔働いていたことがあった。

 

正確にはJK飯店があるホテルで撮影の仕事をしていた。

 

マスターにそこで働いていたというとびっくりしていた。

 

月に1回くらいだったか、中華街まで行って婚礼カメラマンのアルバイトやっていた。

 

結婚式をリモート撮影したり披露宴のビデオ撮影であった。

 

 

さてさて・・・・

 

20年近く通うこの店・・・・

 

このあとなにを食べようか。

 

どれもこれもすでに食べて慣れ親しんだ料理だ。

 

 

麻婆豆腐の激辛をお願いした。

 

でも気がかわってすぐにたまごニラに変更。

 

 

 

 

今の僕は毎回チャーシューを食べているけど、10年くらい前は毎回たまごニラを食べていた。

 

マスターも、

 

「たまごニラ好きネ」

 

と言っていた。

 

 

久しぶりのたまごニラだった。

 

 

たまたま厨房の様子が見えて桂香のたまごニラの作り方がなんとなくわかった。

 

このあいだも思ったのだけれども火力がないのだと思う。

 

だからマスターは鍋振りをしない。

 

でもこのお店の火力に応じて鍋振りをしていた。

 

あまり具体的なことを書くのはよろしくないと思うので調理の過程は僕の中に留めておくのだけれども、

なるほどなあと思った。

 

マスターはJK飯店の料理がいまひとつと言ったけれども、やっぱ筋金入りの調理師だと僕は思った。

 

自分の料理世界っていうのをお持ちだし、まごころがこもった料理なんだよね。

 

だから大勢の常連さんたちがいてこの店を応援するからプラザグレミオでは最古参っていうことになっていると

思うのだね。

 

 

 

ここは中国東北の「家庭料理」の店なのだ。

 

 

北大路魯山人の著作を読みふけったナルナルジジイだけど、魯山人は日本料理の本質は家庭料理にあると書いていた。

 

 

中国も宮廷料理とかいろいろあるけれども東北地方で普通の家庭で食べているなんでもない料理にほんとうの中国の味が

あるのだと思うのだ。

 

 

マスターはいつもそんなその家のお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさんが作るような心がこもった普通の家庭料理で

僕たちをもてなしてくれる。

 

 

そろそろおいとまするかなあと思っていたらマスターはいつものように僕の座っているカウンター席に座り、

中国の強いお酒を出してくれた。

 

 

僕は笑って、もう帰るのだからと言った。

 

横浜中華街で中国茶を買うとか・・・いろいろ・・・もうなにを話したのかも忘れたけど・・・

 

 

次からは18時以降に行くようにしよう。

 

一人でお店をきりもりするってたいへんと思うし、18時前にマスターはお客さんの席ですやすやと眠っているわけだし、

邪魔をしてはならない。

 

 

大久保からは船橋へと行き・・・そこいらへんからは記憶が定かではなく。

 

 

僕が撮った写真は新宿にかわっている。

 

 

寝過ごすことなく総武線で新宿に行ったようだ。