遠い昔。 遠い昔の船橋。・・・・僕にはそこにいるだけで幸せという店があった。

はじめはらーめん一丁。最後はあまから屋。

 

そこにいるだけで楽しかったし幸せだった。

 

でももう船橋には通うお店がないのである。

 

まあランチに利用するようなお店は最近見つけたのだけれどもネ。

 

土曜日の僕はともかく蒲田の鳥万本店2階でぼけーっとしたかった。

 

かつて麺屋天祐、らーめん横丁、あまから屋、味よし、家庭料理こころなんかでそうしていたように。

 

いやそれ以上にぼけーっとしたかったのだ。

 

僕が通よう店は京成大久保の桂香しかないと思っていたのだけれどももう一軒あるではないかと

思うのだ。

 

それが蒲田の鳥万本店。

 

いつ鳥万に行ったのかはもうわからない。

 

なぜ鳥万に行ったかも忘れている。

 

もしかすると30年ほど前に鳥万に行ったのかもしれない。

 

でも1年に一度もいかないということもざらだったし通っていたわけではない。

 

それと鳥万が特別に好きなわけでもなかった。

 

やきとりが安いからとか、たぶんそんな感じで蒲田にいったついでに行っていたのだろう。

 

いつくらいからだったのか、しかし鳥万にはもう少し多く行くようになった。

 

このブログを開設した14年前にも鳥万に行ったという日記がある。

 

もう14年前にはなじみの大衆酒場として鳥万を利用していたようである。

 

あるときからやきとりではなく若鶏の唐揚げがうまい店だと気が付いて、

その頃からだんだんと鳥万に魅かれていったようだ。

 

あとは東京オリンピックの時に入社したというキワさんの存在も大きくて

鳥万で飲みキワさんが元気かしらとキワさんに親しみをもつようになったのである。

 

鳥万の創業は1964年と言われている。

 

つまり東京オリンピック開催の年である。

 

キワさんはそのとき入社したのである。

 

それからずっと半世紀以上もキワさんは鳥万で働いた。

 

きっと看板娘だったに違いない。

 

僕が蒲田に住んでいた半世紀前にキワさんはおそらくは20代の娘さんだったのだろう。

 

僕たちは鳥万の近くで遊んでいた。

 

もしかしたらキワさんと会っていたかもしれない。

 

次の東京オリンピックまでキワさん元気で働いていてほしいと僕は思っていたのだけれども

東京オリンピックを待たずに退職し、亡くなられたとお店の人からきいて僕は泣いたのだ。

 

なぜかしら最近の僕は蒲田に行くようになった。

 

理由はわからない。

 

そしてゆーシティーで疲れをとり鳥万の二階でぼけーっとするのがなによりと思うようになったのだ。

 

 

前回は同じく土曜日であり混雑していて1階の隅っこで飲んだ。

 

下膳場所でありがちゃがちゃとうるさかった。

 

そして週末とあって女性同伴のお客さんが多くみんな楽しそうに飲んでいて、僕だけがひとりぽつんとさみしく飲んで

いたのである。

 

やっぱり二階が一番いい。

 

僕はそう思ったのだ。

 

二階は静かだしカウンター席がやたらおちつくのだ。

 

どん亭でガッツリ食べた僕は千年温泉に行きどうしたら二階でぼけーっとできるだろうかと考えていた。

 

 

 

(サウナは250円)

 

 

 

 

僕にしては珍しいことなのだけれども武蔵新城にあるこちらの千年温泉で疲れをとることにしたのである。

 

自分は市川市の法典の湯か浅草千束通り商店街ちかくのアクアプレイス旭で一週間の疲れをとっている。

 

8割は法典の湯である。

 

完全にパターン化した休みなわけで行く立ち寄り湯も上記したようにきまっている。

 

でもたまには行ったことがないたちより湯もいいじゃないかと千年温泉に行ったのだ。

 

露天風呂は黒湯温泉で室内の浴場にはサウナ、水風呂、炭酸泉、シルキーなどがあり自分はサウナ→水風呂を繰り返して

いた。黒湯温泉は好きなのだけれども温度が高く1~2分しか入っていられなかった。

逆に水風呂が15度~16度と冷たすぎて同じく少ししか入っていられなかった。

炭酸泉も温度が高く入っていられない。

シルキーも同じ。

ジェットバスは2種類で深いほうは足を延ばすと寝るようなスタイルで入浴できて、温度も一番低かったからそこには

よく入った。

 

総合的には今回だけというたちより湯だった。

 

でも・・・・毎度毎度同じことばかりということよりもたまには違うことをするというのは絶対いいとは思った。

 

たとえ今回のように自分には満足がいかないたちより湯であっても初めての体験ということはワクワク感があるから。

 

そして結論が出た。

 

二階でぼーっとするには鳥万本店の営業開始時間に行けばよいのだと。

 

二階に行くなとは言われないはずだ。

 

 

 

千年温泉を出ると運よく快速にのることができた。

 

そして蒲田には予定よりはやくに着いた。

 

3時47分だ!!

 

余裕で間に合う。

 

 

開店9分前。

 

4名のお客さん。

 

5番目に並ぶ。

 

するとぞろぞろとたくさんのお客さんが僕の後ろに並んだ。

 

道行く人たちが見ている。

 

二人連れの若い女性が僕たちを見て言った。

 

「まだ5分前なのにすごい」

 

 

 

 

暖簾がかかるとみんな2階に行った(笑)

 

自分はびっくりした。

 

僕のイメージとしては一階は常連たちで一階に座れなかった人たちがしかたなく2階に行くというものだったからだ。

 

なぜみんなぞろぞろと二階に行ったかはわからない。

 

たまたまだったのかもしれない。

 

9分前に並んだかいがあった。

 

お目当てのカウンター席に座ることができたのだ!!

 

カウンター席での空席は一番隅とお店の奥のほうの1席だけで開店とほぼ同時にカウンター席は埋まった。

 

カウンターに氷と焼酎が入ったジョッキがいくつか並べてあった。

 

なんだろうかと思った。

 

するとカウンター席に座った常連さんに出すものであった。

 

つまり何も言わずともカウンター席に座る常連さんの中にホッピーをまずはじめに注文するという人がいるという

ことみたいだ。

 

カウンター席にすわった常連さんたちは全員僕よりも年上の叔父様方であった。

 

どうも毎日開店と同時に来られているようでカウンター席に座ったお客さんは全員が顔なじみのようであった。

 

しかも伝票がすでにおいてあり、ホッピーの「中」にまで「レ」のチェックが入っていた。

 

つまりホッピーセットを飲む常連さんの中にはかならず「中」をおかわりする人がいるのではじめから

伝票に「レ」のチェックが入っているというわけだ。

 

自分もそれにつられて黒ホッピーセットをお願いした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の右側のご常連さんたちはお店とツーカーだし女子大生と思われるパートさんと親しげに話しをしていた。

 

その女子大生のパートさんは以前見たよく気が付き親切なあのパートさんだと思い出した。

 

なんでも国家試験を受け合格し大学を卒業するまで鳥万で働くということを話していた。

 

自分を除いたカウンター席のお客さん全員とそのパートさんは親しげにしていた。

 

そして僕の左側に座っているご常連さんはなにも話さずカバーをつけた文庫本を読んでいた。

 

自分は思い出した。

 

この人、いつもいる人じゃないかと。

 

いつもカウンター席で文庫本を読んでいてお酒を残して帰っていく人ではないかと。

 

 

結論から言うと当たっていたようだ。

 

やはりホッピーの中をおかわりしてちびちびやって、さっと切り上げて帰っていったのだけれども

ジョッキにはホッピーを少し残していた。

 

女子大生と思われるパートさんの会話だと注文するつまみもきまっているようである。

 

ぼけーっとするにはぼけーっとしたのだけれども、やはり隣りでいろいろご常連さんが会話したり、

お店のねえさんやパートさんが話しをしていると聞き耳をたててしまうものである。

 

 

前回の土曜日に二階が満席で座れず3階に行ったときに階段のあたりで立って飲んでいる不思議なご常連さんが

いたのだが、あの人は鳥万の住人のように僕には見えたのである。

 

飲みに来ているのではなくここに住んでいるかのように思えたのだ。

 

僕が3階に行ったときに3階はあいているよと僕に言った。

 

しかし3階は座敷なので足を折ってすわらなければならず、自分は嫌だと言ったら、

 

「ちょっとまてよ。この時間だと1階のカウンター席が少し空く時間だよ」

 

そして一階に行くとその住人が言ったとおりに隅のカウンター席があいたところだったから

僕は座ったのである。

 

3階と4階に来るお客さんたちに話しかけいろいろ親切にしてくれていたあの人もやはり半世紀もやっている老舗大衆酒場

だからこそといったご常連だった。

 

鳥万ってそういった酒場なのだとわかってきて、僕はますます鳥万に魅かれていったのである。

 

 

若鶏の唐揚げ(500円)

 

 

これが鳥万一番人気なのである。

 

ものすごく大きい。

 

下味、肉質、衣の感じ、揚げ油(傷んでいない)、ともかく全部いい。

 

揚げたてだしこいつはイケてるぜ!!

 

鳥万は100種類以上のフードがありメニューに載っていないものもあるのだ。

 

そちらは店に貼られている短冊メニューを見て探すしかない。

 

 

いつもまだ食べていないものを食べるという楽しみがある。

 

はずれのことが多いのだけれどもたまに大ヒットがある。

 

そんな楽しみがあるのだよ、鳥万は。

 

 

 

こちらのフランクフルトは300円。

 

短冊メニューから見つけた。

 

もちろん初めてである。

 

焼き具合と味と100点。

 

でも300円はちょっと高いと感じた。

 

200円だったら安すぎるし250円なら次もって感じだな。

 

 

 

右側のご常連たちは花火大会の話しなんかをしていた。

 

僕は中をおかわりした。

 

 

大昔の蒲田の話しをしていた。

 

どこそこの花火がよく見えたと。

 

あるご常連は高層マンションが建ったために自宅の2階の窓から富士山が見えなくなったと話していた。

 

 

 

 

ひとりだんまりで飲んでいる僕。

 

おつぎはバイスサワーセットだ。

 

 

 

にんにく揚げ。

 

これはよかったねえ~~

 

だってたくさんあるからさ。

 

にんにくをたべながらバイスをやり、調子づいて中おかわりだ!!!

 

 

 

ここの「中」はコップ一杯で提供される。

 

すごい量だぜ!!!

 

 

 

 

二階も満席となり階段をあがってくるお客さんは3階へと案内されていた。

 

 

は、は、は、は(笑)

 

3階に行けばあの「住人」さんがいて店員がいない3階と4階を親切に案内してるんだろうな(笑)

 

 

蒲田っていいよなあ~~~

 

僕が通う京成大久保の桂香はいつまでも続いていってもらいたい。

 

でも後継者がいないのだ。

 

だからいつか終りの日が来る。

 

でも鳥万はたぶん続いていることだろう。

 

まあ、わからないけどね・・・・・

 

桂香がなくなったら僕の心の中はからっぽになってしまってさみしくなる。

 

鳥万に行こう!!!

 

ここが僕の店と思えるまで通おうではないか!!!

 

 

 

 

一階で会計。

 

一階もこの賑わいだ。