『復讐の毒鼓(原題:독고)』は韓国で人気となったウェブトゥーン。日本企業が作者と契約を結び、日本での配信が始まると日本でも注目を集めた。
日本配信版は(おそらく日本企業の意向により)舞台や登場人物名が韓国から日本に変更されている。しかし、この変更は個人的には余計であったと思う。文化的にも先輩・後輩や年上・目上に対する意識が異常に強くて日本とは異なるし、呼び捨てや目下の者が敬語使わない事に対する怒りが過剰。学校の制度も日本とは違うようだ。また今の時代、ヤクザでもない限り「兄貴」などという呼び方は誰もしないし、極道の世界も日本はあんなじゃない。武器に関しても銃器類がほぼ出てこず、ヤクザ同士の喧嘩も腕っぷしや刃物さばきがモノを言い、ただ喧嘩強いだけの奴が敵の組を潰したり傘下に入れたりしている。なので、“東京一の拳を持つ”だの“日本一のドス使い”だの、不良の喧嘩の過激バージョンみたいなカチコミでヤクザの勢力図が書き変わっていく。日本のヤクザ社会では抗争で銃撃事件が起きたりと、もっと銃が流通している。ステゴロのウェイトがデカすぎるせいで、組が勢いを失ってる時は街のチンピラがヤクザからカツアゲする始末。こんなの日本では有り得ない。食べ物や民族衣装もどうみても日本じゃない。わざわざ舞台を日本に置き換えて違和感を待たせたりせず、韓国が舞台の漫画として “神山 勇” も “カン・ヒョク” のままリリースしてほしかった。『イカゲーム』や『ハリー・ポッター』だって舞台設定が日本に変更されず韓国やイギリスのままだったからって文句言う人なんて居なかったワケだし。てか変更されてたら嫌だし。
作品は作者の他作品とも世界観が共有されている他、前日譚、続編、スピンオフ、外伝も製作されており、日本未公開のモノもある。個人的メモとして以下に作品を記す。
⚫︎天罰(日本未公開)
⚫︎頭(カシラ)
⚫︎頭 -秘密-
⚫︎頭 -唯我独尊-
⚫︎復讐の毒鼓
⚫︎復讐の毒鼓 REWIND
⚫︎復讐の毒鼓 -Flower-
⚫︎復讐の毒鼓2
⚫︎ブラッド・レイン
⚫︎頭 Edge
⚫︎頭 Edge シーズン2
⚫︎ブラッド・レイン2 天外天
⚫︎復讐の毒鼓3
⚫︎チェ・スヨン(日本未公開)
『天罰』は時系列では『頭』と『ブラッドレイン』の間の話。
『チェ・スヨン』は検事チェ・スヨン(日本版では水谷麗子)を主人公とするスピンオフ。