日本未公開作品
2002〜2003年頃に私が見た8作品を紹介
どこも配給権を買わなかった為、吹替音声や字幕も付かなかった外国映画たち

未公開作①

Villmark(原題)

(2003年/ノルウェー)

ノルウェー語。
前述の通り、日本向けにローカライズされたメディアが無いため誰も知らない作品。しかし、ハリウッド作品にも多く出演しているクリストファー・ヨーネルが若かり頃に主演した作品であり、ノルウェー以外の国では『Dark Woods』のタイトルでリリースされるなど、日本以外ではそれなりに知名度がある。2015年には続編となる『Villmark 2』(ヨーネルは出ていません)も製作され、こちらも日本では劇場公開こそ無かったものの、『アサイラム・バスターズ』の邦題でビデオスルーされた。
【あらすじ】
リアリティ番組の製作チームは、視聴者参加型サバイバル番組の企画を立ち上げる。チームリーダーは、「番組開始前にまず自分達で体験する必要がある」と考え、その思い付きに付き合わされたメンバーは無理矢理、森に連れて来られ、食料の持ち込み、タバコ、携帯電話を禁止された状態で4日間のサバイバル生活を開始する。しかし、その森で次々と不可解な出来事が起こる。

みたいな感じです。結末までのストーリーからいくとホラー作品でスリラー作品です。

未公開作②

Tadpole(原題)

(2002年/アメリカ)

主演はアーロン・スタンフォード。この翌年にはX-MENシリーズのパイロ役を獲得している。『NIKITA/ニキータ』(ドラマ版)や『12モンキーズ』(ドラマ版)への出演で知られている。
【あらすじ】
15歳のオスカーは大人びた性格で、普段からヴォルテールの著作を愛読するこじらせ男子。大人の女性にしか興味を持てないオスカーは、同年代の女の子がガキに見えてしまう。自分に好意を寄せてくれる美しい少女ミランダには目もくれず普段から、義母のイヴに熱を上げていた。途中色々あって遂にオスカーはイヴに気持ちを打ち明ける。イヴは彼の想いを受け入れキスに応じるが、すぐに理性が働き、思い留まる。敢えなく散ったオスカーは気持ちを吹っ切って、新たな一歩を踏み出す。電車に乗り込むとそこには同級生ミランダの姿が。棚に荷物を上げるミランダに手を貸すと、ミランダはヴォルテールの一節を暗唱して聞かせ、共通の話題で話そうと健気に振る舞う。会話を終え自分の席に戻ったオスカーは「彼女、いい匂いした(She smells nice.)」といい、思春期らしい新しい恋の始まりを予感させるところでエンディングを迎える。

オスカーの住むマンションにはドア係として働く男性がいて、彼とオスカーは友情関係にあり、2人の間だけで通じる呼び名がある。それが“Tadpole”である。ドアマンだけがオスカーをこの愛称で呼ぶ。Tadpoleは日本語で“おたまじゃくし”。大人をカエル、青年をオタマジャクシに比喩したものだろうか。
作中にはヴォルテールの言葉が多数引用されている。オスカーが夢中になる歳上の女性シガニー・ウィーバーが、そして驚いたのは、同級生のキュートな女の子ミランダを演じていたのが、当時まだ幼く無名だったケイト・マーラだったこと。 ランニング・タイムも78分と短く簡潔にまとめられていて、なかなか良い作品だった。

未公開作③

一碌蔗(原題)

(2002年/香港)

広東語。
ショーン・ユー、シャーリーン・チョイ(Twins)、ジリアン・チョン(Twins)、ウォン・ヤウナム(Shine)、アンソニー・ウォンなどの有名どころに加えサム・リーの友情出演、スー・チーの特別出演があり、かなり豪華。スー・チーの登場シーンは中々いい演出だった。少年(青年)の成長を1970年代を舞台に描いた青春映画。全体として荒いし演出も古臭いのが難点。2002年といえばスー・チーが『トランスポーター』に出演した年。とても同じ時期の映画とは思えない。
とはいえ、若い頃は妙な誤解をしたり、過ちを犯したり、無意味な事に貴重な時間を無駄にしたりするもので、そういう雰囲気は描写出来ていた。淡い恋は時代を超えて共感しやすい要素でもある。Twinsの歌声が作品に彩りを添えている。

未公開作④

慳錢家族(原題)

(2002年/香港)

【あらすじ】
テレビの対戦バラエティ『慳錢家族』はエントリーした二組の家族に一週間の節約生活を競わせ、勝った家族の借金を番組が返済してくれるというもの。子供2人を抱え生活に困っていた男は、同じく金に困っていた元上司の女に声をかけられて、夫婦を装ってゲームに参加する事に。ゲーム最終日、残り金額が相手チームを上回るも、不正がバレて反則負けする。フィナーレは、ゲームを通して本当に大切なものに気付いた4人が、借金を抱えながら香港人魂でたくましく生きて行くという締め。

エンドロールにはNGシーンも用意されている。エリック・ツァンはシリアスもコメディもいけるし、過去は監督業も盛んにやっていた人。

未公開作⑤

Shelter Island(原題)
(2003年/アメリカ)
主要キャストはアリー・シーディ、パッツィ・ケンジット、スティーヴン・ボールドウィン、クリス・ペン。作品の出来は今ひとつ。日本で公開されなかった理由がわかる気がする。内容は金に絡むサスペンスだが、やり尽くされたシナリオ。しかも王道の筋書きのハズなのに、登場人物たちの、道理に合わない行動が目立った。

未公開作⑥


DARKWOLF(原題)
(2003年/アメリカ)

【あらすじ】

闇に隠れて生きる狼男ダークウルフは一族繁栄のため、人狼のDNAを持つ唯一の女性を付け狙っていた。狙われる女性!女性を狼男から守ろうとする男!襲い来る狼男に、力を合わせ立ち向かう2人。


出来は良くない。

half man, half beast, pure evil.」ってのがチープ。ホラーなのに怖さがない。それでも主演はサミーア・アームストロング(『The O.C.』『ダーティ・セクシー・マネー』)だし、狼男はケイン・ホッダー『13日の金曜日』ジェイソン俳優)。特別出演としてティッピ・ヘドレン(『鳥』『マーニー』でスターに。メラニー・グリフィスの母。ダコタ・ジョンソンの祖母。)が出ていた。


未公開作⑦


妖夜迴廊(原題)

(2003年/香港)

ダニエル・ウーはこの作品の演技により第40回台湾金馬奨 主演男優賞にノミネートされた。小説が原作。悪魔が題材でヨハン・ハインリヒ・フュースリー(ヘンリー・フュースリー)の『悪魔』が作品のキーとなっている。物語の解釈を客の感性に委ねるタイプの映画。不可解な出来事に翻弄される男の顛末を描く。弟の死の謎も明かされたようなされなかった様な。弟が兄のフリをして生きていた理由は?図書館の主人が娘の懐妊に執着するのはなぜか?なぜ主人公の子種(精子)に固執するのか?なぜ娘は自身の妊娠について、ああも父親の言いなりなのか?悪魔と契約した場面が映ったテープを処分すれば主人公が護られるらしい謎設定。理屈がわからん。神父はどうしてそうなった?夢だからとか?え、現実?なんで?なにが?


未公開作⑧

The Cooler(原題)

(2003年/アメリカ)

ウィリアム・H・メイシー、アレック・ボールドウィン、マリア・ベロ共演。ショーン・ハトシー、エステラ・オーウェンも出演。
数々の賞を獲得しているにも関わらず日本版にローカライズされなかった作品。
【あらすじ】
Cooler(自身もツキが無く、他人のツキも奪う"場を冷えさせる男")である主人公は、その才能(?)を買われ、カジノで働いていた。彼が参加するテーブルに同席した客はみんな運気を下げるのである。馬鹿ヅキして大勝ちし過ぎる客が居ると、そのテーブルについて、運気を下げるのが彼の仕事である。これによりカジノは一定の評判も保ちつつ、大きな損失も出さず、順当な利益を上げ続けていた。そんなある日、主人公の前に一人の女が現れる。程なくして二人は恋仲となるが、彼女は飛び切りのLady Luck(幸運の女神)だった。"幸運の女神を味方につけた男には幸運が訪れる"。これにより主人公から不運が去り、Coolerの役割を果たさなくなってしまう。カジノ経営者はCoolerを取り戻すため、Lady Luck主人公の元から去るよう脅しを掛ける。経営者の仕打ちに怒った主人公は彼女の幸運をバックにカジノで大金を稼ぐ。長年の付き合いに対する想いからか、経営者はそれを妨害せず、大金を手にカジノを後にする主人公を黙って見送る。