後藤静香(セイコウ)(1884-1971)「無智は恐ろし」『権威』(1921年):「無智」は恐ろしいが、「賢くなること」も恐ろしい !
無智は恐ろし
無智は恐ろし
伸びられる自己をほうむる
無智は恐ろし
そそのかされて悪にいる
無智は恐ろし
生活の悩みをも脱し得ず
無智をまぬかれる道はあり
誰の前にも開かれてあり
《感想》
☆後藤静香(セイコウ)氏設立の社会運動団体「希望社」(1918-1933)の時代の代表作が、『権威』(1921年)である。100万部を発行したという。
☆勉強は大事。自己を伸ばす。何が自己を伸ばすかは、人の意見を聞き、最後は自分で考え、決める。
☆-2 勉強は、学校だけで行うわけでない。もちろん、学校も大事。
☆悪へと「そそのかされ」ないため、賢くなるため、勉強が必要。
☆-2 この意味での勉強は、日常生活で不可欠。
☆「生活の悩み」を脱するため、勉強する。怠けてはいけない。
☆-2 もちろん勉強だけでなく、人徳が大切。信用は、社会生活の基本。
☆世の中は、闘いである。いじめ、策略、悪意、嫉(ネタ)み、中傷に満ちる。敵と戦う。賢くなって、自分を守る。
☆-2 敵から身を護る、あるいは、敵を自分の味方に転換するには、策略か人徳が必要。
☆「この世は、弱肉強食である」と定義すれば、君は、君とその仲間のため、何でもする。マキャベリズム。
☆人は悪魔でもある。(a)人が持つ加虐衝動。いじめ、いたぶり、拷問する楽しみ、暇つぶし。
☆-2 (b)嫉みから、成功者・幸福な者を、引きずり落ろす。
☆-3 (c)敵は、最終的に、皆殺しにする。
☆ (a)加虐衝動、(b)嫉み、(c)敵との戦いは、やられる相手からすれば、悪意そのもの。悪意の実現のため、策略や中傷は手段になる。
☆賢くなれば、策略や中傷の効力が高まり、
(a)いじめ、いたぶり、拷問する加虐衝動を、効率よく満たせる、
(b) 嫉みからの行動として、成功者・幸福な者を、効率よく引きずり落とせる、
(c)さらに敵を、効率よく皆殺しできる。
☆「賢くなること」は善意にも悪意にも仕える「両刃(モロハ)の剣」だ。
☆-2 「無智」は恐ろしいが、「賢くなること」も恐ろしい。
☆ 敵から身を護る(自衛)ためには、「賢くなること」が、必須である。「無智」は恐ろしい。
☆-2 ただし、「敵を、効率よく皆殺し」することが、「無智をまぬかれる道」を進み行きつく到達点であってほしくない。