宇宙そのものであるモナド

杉山平一(1914-2012)「憩い」『杉山平一詩集』(1984年、70歳):「永遠」の観念と「恋人のイデア」 

    

    憩い

 

勤めに追われていそぐ私を

交叉点が抱きとめてくれます

ちょっとおやすみ

ルビイ色のシグナルの下

吻と(ホット)溜息を吐き出し

仰げば青空は高く澄んで

想いは遠く誘われます

永遠のこと あなたのこと

シグナルがエメラルドに瞬くまで

 

 

《感想》

☆「私がよく生きてこれたのは、片手に文学をにぎりしめていたからである。」(「ひとりぼっちの世界」)と、この詩人は書いた。彼は、倒産の地獄を経験した経営者でもあった。

☆「交叉点」で信号が変わるまで、一瞬の待ち時間、それが「憩い」の時間となる。

☆一方で「永遠」、他方で「あなた」(恋人)への想いが、彼を憩わせる。忙しく厳しい日常を救うものは、「永遠」の観念による日常の相対化と、「恋人(あなた)」のイデア化だ。

☆信号の赤色は「ルビイ」色、緑色は「エメラルド」色、詩人はセンチメンタル。