何をするにも体力は人生のプライオリティーではトップだと思う。体力なくして精神力なし、体力なくして脳力なし。第一、健康でなければ長生きできない。最近こころの底から実感する。
週末水泳を再開してから5ヶ月が過ぎた。ブヨブヨと全身に纏っていた余分な防具はだいぶ消え去り、胸板も戻ってきた。何より、疲れをあまり感じなくなった。疲れを感じないと、仕事だけでなくプライベートでも、生き生きしていられる。1時間2000メートルと決めて始めた水泳は、今は同じ1時間で2500メートルまで引き上げることができた。自ら尻をたたきながら通っていたプールが、今や土・日の早朝が待ち遠しいと感じるほど。
脳が身体を支配するという通念があるが、身体が脳を支配するという方が、なんとなくしっくりくる。気分がすぐれないときだとか、情緒が不安定なとき、頭の中だけで考えていても、堂々巡りどころかドツボにはまっていく可能性もある。しかし思い切って、身体を動かす、つまり行動を起こしてみると気分が晴れてきたり、良いアイデアが浮かんだりすることは誰でも味わったことがあるだろう。
ロンドンでは、出社前にジムで小一時間、汗を流して出勤する人も多い。特にシティでこの傾向は強い。バンカーやトレーダーといった脳を酷使する人ほど、ガッチリた体格の人が多いのは頷ける。日本人の旅行者がシティを訪れたとき、ビジネスマンたちの体格の良さに驚く人が多いらしい。もちろん民族の違いもあるが、やはり身体の維持に対する考えが日本とは違うと思う。ガッチリした体格の人は、初対面でも頼りがいがありそうな印象を与える。