無性にお墓参りに行きたくなったので
いつもならひとりで行くところを
なぜか思い立って久しぶりにいとこを誘ってお墓に行った。

いとこが9歳になる息子も一緒に連れて来ると聞き
わたしのママも来たがったので
予報はずれの土砂降りの日曜の午後に待ち合わせて
みんなでお墓に向かった。

お墓参りって素晴らしいな。だいすきだ。
ひとりで行くのもいいけど
ワイワイとみんなで行くのもいいもんだ。

お墓をあとにして
いとこのお母さん、つまりわたしのおばさんに会いに
病院に向かった。

おばさんは去年のわたしの誕生日に脳梗塞で倒れてから
目を覚ましていない。
「倒れた」と聞いて駆けつけたときまだ彼女は意識があった。
ドクターに「手術歴はありますか?」と聞かれて
「豊胸手術をしました」と的外れなカミングアウトをし
周囲の我々が不謹慎なほど笑い転げているうちに
彼女はどんどん深いところへおっこって行って
それから戻ってきていない。

彼女はわたしの恩人だ。
わたしが10年近く留学できたのも
わたしに夢を託してくれた彼女の援助があったからだ。
そんな恩人である彼女に
わたしはまともにありがとうも言えずにいた。

彼女はほぼ変人だ。
あまりにも繊細で優しい人なのに
悲しいできごとがあって彼女の心は壊れてしまった。
それ以来彼女は10年以上一歩も外に出かけず
一秒たりともタバコを手放さず
365日テレビをつけっぱなしにして
お風呂にもほとんど入らず
掃除もしない汚い老女になってしまった。

わたしはそれでも彼女に恩を感じていたから
ひと月に一回だけでも食料の調達と掃除と彼女の髪を洗いに
彼女に会いに行ってたけど
それは相当にエグい作業だった。
わたしはほとんど彼女を嫌ってしまっていた。

土砂降りがやんで日が差している窓側のベッドで
彼女は小さくなって眠っていた。
お見舞いに来るのは一年ぶりだった。

それは、ちょっと怖いぐらいビックリする出来事で
今でも何だか複雑な気分なのだけど
わたしが彼女の名前を呼んだら
彼女はパッチリと目を開けてわたしを見た。

瞳が透き通っててとってもきれいだった。
やっと、ありがとうって言えた。

病室にひとりの男の人が入ってきた。
それはおばさんの心を壊した張本人だった。
おじさんが入って来た途端におばさんはまた眠ってしまった。

おじさんもまたわたしの恩人だ。
おじさんとおばさんがまだ一緒だった頃
わたしがその頃大好きだったリバー・フェニックスに
ファンレターを書くのを手伝ってくれたのはおじさんだった。
そのとき、わたしは英語を自由に話せる人になると誓った。

そしてわたしは今月もうひとりの恩人を訪ねてイギリスへ行く。
本人には残念ながら会えないけど
彼女の住むところへ久しぶりに帰る。

これは何かの節目なのかしら?
お墓参りに行きたくなったのは
おじいちゃんからの何かのメッセージだろうな。。。
なんだろう?ちょっと楽しみ。
コテツのヒゲが抜けて枕の上に落ちてた。
猫のヒゲはよく見るととても美しい代物だ。
コテツの顔から生えてる間は神経が通ってるのだ。
ハリとコシがよくてさわり心地がよい。
鼻の下とかに当てると何だか気持ちよい。
猫のヒゲにはちょっとフェティシズムを感じる。

ヒゲ抜けちゃったね
となんとなくコテツの鼻先にヒゲを差し出したら
コテツはそのヒゲを先からモリモリと食べてしまった。
まるで猫の世界には
抜けたヒゲは食べる
という常識が存在するかのように。

そんなの食べたらあとで気持ち悪くなっちゃわないの?
のどごし悪そうだ。
栄養価が高いのか?
それともわたしが差し出すものは何でも食べれると信じてるのか?

不思議とちょっと切ない気持ちになった数秒間の出来事でした。
わたしのことをよーく知っている人は知っているが
部屋や会社のデスクはキレイに片付いているように見えても
引き出しを開けると「ギャー」と奇声を発したくなるほど
グチャグチャになっていたりする。
わたしの生きザマを見事に表現している。

そして、ご存知の人もいるが
わたしの部屋には「とりあえずカゴ」というものがある。
なんとなくどこにも行き場がないものを
何かのときにすぐに見つけ出せるように
とりあえず放り込んでおくでっかいカゴ。
中には本当にいろんなものがゴチャーっと放り込んである。

去年湘南のビーチに撮影に行った時に
小道具として登場したアンパンマンの花火セットや
海外に行く時に使う携帯電話や
いろんなポイントカードとか写真とか
出張用の洗面用具とか電源コード類、変圧器。。。
大小構わず混在している。
整理しないとと思いつつも内容を眺めてはまた元に戻す。
カゴに納まっていると見た目は悪くないので
とりあえずほっておいてきた。

最近わたしの人生のある一部が
この「カゴ」のようになってきているような気がする。

そろそろ内容物を、納まるべきところに納めないと。

仕事はやっていれば何かしら結論が出るから落ち着く。
眉間にしわ寄せて馬車馬のように仕事に没頭して
この数ヶ月をやり過ごしてきたけど
後回しにしてきたわたしの中の「カゴ」が
そろそろ最近になって猛烈にアピールを始めている。

これって、余裕が出てきた、いい兆候なのよね。たぶん。
さて、どこから手をつけていいのやら。
「カゴ」の中をそっと覗き込んでは
ため息ばかりついております。
もうすぐワールドカップが開幕します。
そして梅雨入りです。

今日はロックの日です。
と言うことはコテツのバースデーです。

コテツももう2歳です。
そう言われてみれば大きくなりました。
おめでとう。

ちなみに写真はバースデーキャットと
鼻っ面がサッカーボールになってるルフトハンザ航空と
ライプツィヒでコンピューター制御システムがダウンして
結局飛び立たなかったプロペラ機です。

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ドイツはライプツィヒに3泊5日で行って参りました。
どんなガイドブックをめくっても
2ページぐらいしか扱いの無い街。

目的が目的なだけに興味深い旅でした。。。
楽しかった!

空港に降り立つと、寒い。。。コートが必要。
でも空気がきれい。鳥が鳴いている。
夜10時になってもまだ明るい。
普段飲まないビールがおいしく感じる。
つまみはやっぱり、フランクフルトソーセージかい?
ホワイトアスパラガスもおいしい季節ですね?

深夜になると空は満天の星空。
ライラックの香りが漂ってくる。

バッハが眠る聖トーマス教会のパイプオルガンの音。
ゲーテゆかりの居酒屋、昔ながらのカフェ。。。
とりあえず一通り駆け足で観光してから
いざ、例の場所へ。

会った人には説明します。まあ、その景色は圧巻でした!
あれはなかなか見れない景色だね!

一連の旅シリーズも一旦終了。
大量の服を洗濯しています。
長い旅から戻り
会社を休んで身辺整理。
いつものバックパックでは対応しきれずに上海で購入したスーツケースが
やっと空になり洗濯も終了しました。

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何やっているの~?
サイズ的には行けるけど連れてけないよ~。
金曜日からドイツです。
すっかり旅付いてます。

コテツ。
おるすばんばかりで、ごめん。


何だか台風が上陸したとかで見事な嵐です。
早朝から市政府のお役人と会議。
外はドシャブリ。寒い。
なのにオフィスには冷房が。殺す気?!

さすが泣く子も黙るお役人さま。
責任転嫁がお上手です。
時間ばかりが過ぎていく…。
途中一度、日本大使館に行ってツアーご一行のビザをとり
戻って来たら一応打開策が提案されたけど
こちらの主張とはかけ離れてて一蹴するしかなくなり
事態は完全に膠着。

にこやかだったお役人さまがすこーしコワい顔して
もしもマスコミを使ったら今後のビジネスは
全部ストップですねーとサラリと言った…。
少しビビり社長に電話する。
「とにかくぶち込まれない程度にして帰って来い」
とのお達しに従い
暴風雨の中退散してきました。

東京から電話しますから逃げないでね。お役人さま。

というわけで明日帰国です!
総勢30人のアルゼンチン人と東京に乗り込みます。

ロビー集合5時半!
もう寝ます~!
昨夜やっと上海公演終了しました。
つ・か・れ・た。。。
日本から来てもらった制作スタッフのみなさま以外
現地のスタッフにプロがいなかった。
契約までは信頼していた人たちがすべてダメでした。
一応わたしの味方ではあるけど何しろ仕事ができない。
言語の問題を通り越して話が通じない。

怒っても、文句を言っても幕は待たないので
ひとつひとつ問題をクリアしながら進行。
でもドミノ倒しのように目の前できれいに崩れていく。。。
日本人スタッフのみなさまもやりにくさに耐えて
黙々と作業を進めている。
そのプレッシャーで息もできないぐらいの現場でした。

通訳が現場にいない。来ても訳してくれない。
ワードローブがいない。来てもただの洗濯屋さんで
家庭用のスチーマーなんて使ったことが無い。
針に糸も通せない。靴も磨けない。
開演1時間前になったら中国人スタッフが全員いない。
とうとう逃げられた!と思ったら全員しっかりと夕飯を食べに
外のレストランに行っていた。 ごはんのが大事なのね。
こんなの序の口。

だれも悪気は無い。それがダメだと知らないだけ。
契約書に書いてある通りに人は何とかそろったのに
こちらの指示をまっとうできるだけの経験が無い。

上演中も問題は起こり続け
右手に自分の携帯
左手に現地で借りた携帯携帯
そして差し出されたシーバーからわたしを呼ぶ声が。
どの言語でしゃべっていいのかわからなくて
一瞬壊れて爆笑。笑ってないとやってられません!

みなさまに助けられてとにかく公演は終了しました。
そっと振り返ると背後には反省点が山積み。
何やらアーティストはえらく満足しているらしいぞ。
さすがアルゼンチン人。アスタマニアーナです。

そして今朝は、昨夜勃発した最もありえない問題の処置に
売られたケンカを買ってきました。
今書くときっと長くなるので
明日わたしがまだつぶされていなければ続きは今度。。。

明日もケンカの続きが残ってます。
でも金曜日には何が何でも東京に帰るんだ。

でも不思議なのは
決して「もうこりごり」と思っていないこと。
プロがいないと言うことがわかったのは実は進歩です。
島国に生まれたことを改めて実感する日々です。

今回は、アルゼンチン・タンゴの興行を
中国で実施すると言う不思議な作業にたずさわり
こうして上海にいるわけですが
やはり大陸の人たちの考え方は我々「しまんちゅ」には
理解できないことが多々あるのです。

中国人とアルゼンチン人の意見が対立してしまったとき
その仲裁に入るのは至難の業のようで実は気楽です。
なぜなら、どちらの言い分も理解できず同調できないから!
しまんちゅの「折衷案」が輝く瞬間です。

侵略し侵略されてきた先祖の血が流れている彼らは
まぶしいほどたくましいです。
めんどくさいですが憎み切れません。

そして、アルゼンチン人の踊るタンゴは
どんなにお先真っ暗な状況も一瞬すっかり忘れるほど
美しいです。

バンドネオンの音が聞こえてくると
何だかがんばれそうな気がしてきます。

それはエジンバラの街のどこかから
必ず聴こえてきたバグパイプの音色に似て
なぜか、きゅーんと胸に染み込んでくるのです。
また、上海に来てます。

明日は今年最悪の一日になることが予想され
ホテルの部屋でお香を焚いて精神統一してます。

今朝会社に行く途中で思わず金刀比羅宮に立ち寄り
お守りを買ってしまいました。

もう、神頼み!他力本願!もう、知らん!
そんな気持ちでお参りした後ふとお守り売り場を見たら
普通の「厄除開運」「縁結び」「交通安全」「学業成就」
などのお守りに混じり見たことも無いようなお守りが。。。

「大漁満足」



でも、いい響き。

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