1944年の2月。
第二次世界大戦の最中、ナチス・ドイツ軍の空襲が続くロンドンで、民間防衛隊の伝令係となった13歳の少年バーティは、初めての任務に向かう途中でアメリカ人の少女にぶつかってしまう。
少女が立ち去った後に落ちていたノートには秘密諜報員になるための訓練の様子や暗号が記されており…。
主人公の相棒で救助犬のスパニエルのLR(リトル・ルー)が何より可愛い。
それも、思っていた以上に出番が多く文字通り大活躍するので、ワンコ好きさんは迷いなくどうぞ!(笑)。
本書は民間防衛隊の伝令係である13歳の少年バーティが、偶然の出来事からスパイになったお話。
路地裏で気を失って倒れていた女性を見つけたバーティですが、助けを呼びに戻るとその女性は消えています。
そしてその直前にぶつかったアメリカ人の少女が落としたノートには、スパイとなるための訓練の様子や暗号などが記されています。
更にはバーティの後を尾けてくる不審な男の影。
バーティは、ノートを落とした少女エレノアと再会すると、二人は共に、エレノアにノートを預けた後に消息を絶った元家庭教師のフランス人女性ヴァイオレットを探す事になるんですが、それは戦争の行方を左右するかも知れない、思いがけない冒険に…!
章の頭などには、シャーロック・ホームズの言葉だったり、SOE(特殊作戦執行部)によるスパイのためのルールだったりが記されているので、それだけでワクワクさせてくれます。
また、読者には暗号問題がいくつか用意されていて(ちゃんと本文にヒントがあり解けるようになっている親切設計も嬉しい)、更なるワクワクで実に楽しい読書体験に!
さて、主人公のバーティは父親と二人暮らしの少年で、母親と兄とはどうやら離れて暮しており、兄は何やら療養中の様子。
その原因は自分にあると自身を責めており、母親も兄も自分の事をきっと責めているとバーティは苦しんでいます。
普段はそんな様子を見せず明るく振る舞っていますが、ドイツ軍の攻撃があった際にフラッシュバックして震える姿には、そんなに自分を責めないでと思わず声を掛けたくなります。
そんなバーティを救うのは、相棒のLRの存在や、国を守るために戦いながらバーティを気遣ってくれる仲間、そして自分自身の内から出る勇気だったのでしょうか。
ところで後半はエレノアと共に、暗号と行方知らずのヴァイオレットに関連する謎に挑む様子が描かれています。
その中でホームズマニアで暗号解読が得意な友人デイヴィッドを頼ったりして試行錯誤して解読していく様子も楽しかったですし、ホームズに関して仲間とわちゃわちゃ話し合う様子、ホームズは自分の方だと主張したり、好きな作品を語り合う場面などは思わずニマニマするぐらい微笑ましくもありました(笑)。
ところで読んでいてずっと楽しいのは楽しいのですが、第二次世界大戦下の物語という事で、戦争の悲惨さや人間の愚かさなど、思わず考えさせられることも描かれています。
それと共に、過去から学び、未来に繋いでいこうとする人々の希望と力強さを感じ取れる物語でもありました。



























