三国時代の中国。
魏に潜伏している蜀の間諜である陳恭は、蜀の新兵器の機密を盗むために蜀へと送り込まれた魏の間諜の存在を知る。
一方、陳恭から連絡を受けた間諜対策を行う靖安司の荀詡は機密を守るため動くが、組織同士の対立などもあり思うように
いかないなか…。
なにこれ、めちゃめっちゃ面白いじゃない!
昨年の読み逃し本ですが、本当に読み流しては勿体ない作品。
三国志の時代を舞台にした架空スパイ小説ですが、既に劉備も亡く孔明が実質蜀を率い、魏も曹操の孫である曹叡が皇帝となっている時代が舞台。
蜀に入り込んだ魏の間諜の正体とは?!
技術力に優れている蜀の武器の図面を盗まれようとするのを阻止しようと奮闘する靖安司の荀詡をメインとして、スパイ小説としての面白さ、官僚主義に悩むお仕事小説として、史実の裏側のifを描いた極上のエンタメに仕上がっています。
敵を欺くために仕掛けた罠に悩む者、官僚主義による弊害、恐ろしき黒幕、諸葛亮孔明の聡明さなどなど、どこをどう切り取って読んでも面白過ぎです。
「このミス」で1位になったりと話題になった『両京十五日』や、『西遊記事変』よりも個人的にはこちらが好みですね。
荀詡が評議会に査問をかけらえる場面は『銀河英雄伝説』のヤンを思い出させますが、あとがきに田中芳樹氏に言及されていて納得です(笑)。
