亡くなってから、何日も、何週間も、何か月も経ってから発見される孤独死の現場。
残されたものは遺品だけでなく、融けた遺体そのもの。
伝染病のリスクもある現場で働く著者の想いが詰まった一冊。
「死に方」を選ぶこと自体は悪くないと考える著者が伝える絶対に忘れて欲しくないことというのが印象的でした。
あ、あと、遺品をかっぱらっていく自称友人や近所の人などの醜さには憎悪すら抱いてしまいます。
写真では直視できない現場を、ミニチュアにして描くことで現実を直視し大切なものを伝えると共に、死者への祈りや敬意を忘れない姿に感服です。
ところで本書を手に取ったのは、先に読んだC.S.ロバートソンの『特殊清掃人グレイス・マクギルと孤独な死者たち』が、本書の著者である小島美羽さんが製作しているミニチュアにインスパイアされて書かれていると知ったから。
本書を読むと『特殊清掃人グレイス・マクギルと孤独な死者たち』の解像度も上がると共に、なかなか理解しにくい主人公のグレイスのことも好きになりました。

