悪党たちのシチュー 海外ミステリー | 固ゆで卵で行こう!

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時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

 

 

辣腕ジャーナリストだったシトロンは、アフリカの某独裁国家の刑務所での経験からトラウマを抱えて落ちぶれていたが、くせ者政治屋ヘールに、現政権の大きな弱みともなるスキャンダル情報を入手すべく協力を依頼され調査を開始する。しかしシトロンとヘールは思いがけない事態に飲み込まれていく。

 

 

 

 

これは実に良き。

 

序盤からショッキングな描写があって、不穏で不安な出だしではあるものの一気に惹きこまれます。

 

混沌としていて先が読めず、というか、一体どんな話なんだと混乱させられるも、根底にあるものがしっかりしているから、逸脱しきらずに流れるように読ませてくれます。

 

トラウマから脱した敏腕ジャーナリストのシトロンと、ある政治家を次期州知事から大統領へと押し上げようする政治屋ドレイバーの二人が、国家的謀略の渦の中で果たして生き延びることができるのか。

 

また、唐突に起きる事態などについてもその登場人物の内面を推しはかりながら読み進めましたが、ちょっとした描写やセリフもいちいち格好良いんですよね。

 

 

ところで本書は既に再読も。

 

再読で初読ではちょっと分かりにくかったところスッキリしましたし、この楽しさをより漫喫できました。

 

ちなみにシトロンが「自分たちもわからない」と終盤に入ったところで語っていますが、主人公たち自身が分かっていないんだから、読者である自分が分からなくて当然よね、なんて思ってしまいました(笑)。

 

しかし意外にロマンチックな物語ですよね。

 

そして大真面目に読むより、クライムコメディと思って読むとより楽しいですし、読んでいてどう話が展開するのか分からないことそのものを楽しめる、まさにごった煮(シチュー)な面白さが本書には詰まっていました。

 

 

悪党たちのシチュー 著者ロス・トーマスの傑作