ジェン・ラファティ部長刑事は、友人の判事シンシア・プライアのホーム・パーティで保健分野で働くナイジェル・ヨウから警察関係者からアドバイスが欲しいと声を掛けられる。
したたかに酔っていたジェンは話を聞きそびれるが、その翌朝、ナイジェルはガラス職人である娘イヴによって彼女が作った花瓶によって首を切り裂かれた状態で発見され…。
〈マシュー・ヴェン警部〉シリーズ2作目。
今回も一見地味な物語りだけれど、やはり滋味に溢れていて。この魅力を伝えるのには、どう言語化したらいいのか分からないぐらい。
イングランド南西部のノース・デヴォンという海辺の小さな町を舞台に、そのコミュニティ内で起きる事件と、事件に関わる人々の心の機微を丁寧に描かれています。
夫であるジョナサンとの関係性や疎遠だった母との食事会の様子。
そして捜査に対する真摯な態度などなど。
ほんと、いいわぁ。
部下である二人もそれぞれの肉付けも読んでいて飽きがきません。
今回は特にロスが妻の態度に悩む姿が新鮮で、自身を省みるようになった彼のことがちょっと好きになりましたし、事件を通じて描かれるそれぞれの家族の在り方や考え方も読み応えありました。
実際、なかなかのボリュームがある作品ではありますが、読んでいてそのボリュームを感じさせない辺りは著者の力量と訳文の良さにあるのではないでしょうか。
次作も楽しみです。
