癌の治療法を追求するホアン・グティエレスは、地道なゲノム解析の研究が実り、何世代先もの生物の進化を予測することが可能になる、遺伝的アルゴリズムを発見する。
しかし、「ダーウィンの暗号」と名付けたその研究結果が何者かによって悪用され、人類滅亡の危機を迎えようとしていた…。
遺伝子組み換えによる癌治療が悪用されてパンデミックが起こるというテクノスリラー。
ゲームの『バイオハザード』を思い浮かばせるようなホラーみたいな恐ろしさから始まると、徐々に不穏さと怖さが増してきます。
物語は癌の研究者であるホアンを軸にしつつ、FBI捜査官や、ウィルスに関わった人たちなどの視点で描かれています。
多くの登場人物の視点で描かれることで何が起こっているのか多面的に見えると共に、予見される危機に関する焦燥感と恐怖感が煽られるかのようです。
また、それと共に登場人物たちが織り成す関係性も分かりやすく、読みやすい上に先が気になる展開で、先へ先へと読ませてくれ、マイクル・クライトンやダン・ブラウン的な感じで楽しめました。
ただ、読みやす過ぎるのは欠点でもあるかも。
個人的には物語の芯の重さ的なものをもう少し感じさせるような、じっくりとした展開が好み。
もっともエンタメスリラーとしてはこれぐらいの方が手に取りやすくていいのかも知れませんね。
それにしても、一応の決着はつくものの、何もかもが明らかになる訳ではなくモヤモヤするものが残ります。
実は著者の他の作品ともリンクとかしてたりするのかな?!
それとも続編の構想があるとか。
そうそう、研究結果を生物兵器開発に転用して生まれたうちの一匹、のちのジャスパーと名付けらた犬が、登場人物(?)の中では一番好きかも。
他の犬たちは獰猛で人を襲い殺処分されてしまいましたが、事件に関わってくるオライリー家で飼われている様子は、かしこくて可愛かったです。
いつか他の犬たちのようにオライリー家、もしくは周りの人たちを襲ったりしないか不安に思いながら読んでいました。