海外ミステリー ハウスメイド | 固ゆで卵で行こう!

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ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

 


富豪のウィンチェスター家に、住み込みのハウスメイドとして雇われたミリー。
10年間の服役を終えて保護観察の身であり、前の職場も追われ、車上生活を余儀なくされてきたことから、なんとしても仕事を続けたいと、雇い主からの理不尽な言動に耐える日々だったが…。



最初から不穏な雰囲気が漂いまくりです。

主人公のミリーにあてがわれた部屋は、外からしか鍵の開け閉めができない屋根裏部屋って、もうそれだけで怖い。


何よりまるでホラー映画に出てくるような母娘の言動が怖く、「え、これってホラー小説じゃないよね」って確かめたくなります(笑)。

ミリーの雇い主であるニーナは、優しいかと思えばヒステリックに指示した事と後から反対のことを言ったりと。


そしてニーナの娘もまた同じような言動をミリーに対して行い、そんな二人に翻弄される毎日をミリーは過ごすことに。

そんなサイコパスみたいな雇い主の地雷を踏まないでと思わず祈ってしまいます。


けれども、ニーナのハンサムで優しい夫アンドリューに惹かれていく様子など、踏みたくなくても踏んでいってしまうような展開はやはり恐ろしく、読み進めるのも躊躇ってしまうほどでした。

そんな中で第二部に入ると、読んでいた物語の様相は違ったものに。

「なるほど、そういうことね!」と納得すると共に、ここからは序盤と違って最後まで一気読みさせられる展開が待っています。

本当は第二部があるということすら知らないまま、できれば何の事前情報も無いまま読めば、このジェットコースターのようなサスペンスを満喫できるかと思います。

先の展開をある程度読めてしまう人もいるかと思いますし、自分もこの第2部に入った時点でその先に明らかになることについて「やっぱりな」と思ったのも事実。

それでも最終盤で描かれる事柄と、更に明らかになる真実には「おお」となって堪能です。


ところで、なんと本書はシリーズ化されており、既に三作目まで刊行されているそう(これが何よりの驚き!)

本書のような驚きが待つような描き方は出来ない中で、どう描いていくのでしょうか。本書とは雰囲気もかわって日本の某ドラマみたいなシリーズになるの?!

それに、一番謎だったあの人についても何かしら明らかになるのでしょうか。

という訳で、まずは次作の翻訳を楽しみに待ちたいと思います。

また、本書は圧倒的な読みやすさ、そして主要登場人物は5名という少なさもあって、翻訳ミステリーに苦手意識がある方にもお勧めです。