仲違いしている息子との関係修復のため、チャーリーは息子のセオが副操縦士として乗り込む飛行機に内緒で搭乗するも、その飛行機は何らかの原因で墜落する。
しかしチャーリーは飛行機が落ちる前の状態で目覚め、そして再び墜落を経験すると、更に墜落前の時点で目が覚め…。
タイムループものにしてタイムリミット型のサスペンス。
飛行機の墜落前に何度も目覚めるチャーリーですが、少しずつ墜落までの時間が短くなっていきます。
数学者であるチャーリーは、それはフィボナッチ数列によるパターンに従っていることと、それによって事故を防ぐまでの時間が少しずつ失われていくことに気づきます。
更に、息子がこの事故に関わっているようだと勘づいたチャーリーは、なんとしても事故を防ごうとすると共に、息子との関係も修復しようと奮闘します。
事故を防ぐまでの時間が短くなっていく様子、息子への愛情、そして焦りが緊迫感を増大させるので、ページをめくる手も思わず早くなります。
さて、母子の関係が悪くなった原因は、聞かされていた話と違った父親のこと。
その存在を知ったセオは、ひとり父親を捜しにアメリカに渡り、そこでドツボにハマっていく様子が描かれています。
この父親探しの部分はなかなかに感情移入しにくく、フォローするような描写もありますが、いい歳して子供っぽいセオに対しイラつく読者も多いのでは(笑)。
また、セオの父親であるローガンのバックグラウンドは薄っすらとしか語られていないので、ローガンの人となりなども、もうちょっと知りたかったかも。
とはいえ、チャーリーが短くなる時間の中で得た経験を元に事故を防ごうと、いくつもの失敗を元に何度も何度もトライしていく様子は、次はどう行動するのか、そして成功するのかとドキドキしながら楽しむことが。
そして何より、母親として息子に捧げる愛情の強さには胸を打たれ、思わずウルッとくるものがありました。

