〈ドートマンダー〉シリーズ再読キャンペーンその⑨
冒頭、盗みに入った先で見つかってしまうドートマンダー。
警察官を煙に巻き、からくも難を脱する場面は読んでいて思わずニヤニヤしちゃいます。
さて、不機嫌な様子のドートマンダーの元に相棒のケルプが持ち込んできた仕事は、墓に埋められている棺桶を掘り起こし、そこに別に棺桶を入れるというもの。
実はそれは、絶滅したはずのアメリカ先住民のある部族の最後の一人だと名乗りをあげ、まるでかつてロシア大公の血を引くと詐称したアナスタシアのような詐欺を働く計画の一部。
その分け前をいただこうと、ドートマンダー、ケルプ、それにタイニーは仲間になるのですが、泥棒ではない仕事に自身のアイデンティが脅かされると感じているかのようなドートマンダー、哀愁たっぷりです(笑)。
実際、ドートマンダーたちの動きがあるのは後半に入ってからで、ドートマンダーとその仲間たちの活躍が見たいファンは物足りなさを覚えるかも。
けれども、うまくいきすぎていた計画が躓き、ついに本物の仕事、泥棒に取り掛かれると、骨の髄まで泥棒なドートマンダーが喜ぶ場面が訪れてからが俄然面白くなりました。
さて、詐欺の首謀者たちはドートマンダーたちのことを快く思っておらず、計画がうまくいった暁にはドートマンダーたちを排斥しようと考えていますが、その裏をかく様子もまた子気味良かったですね。
とはいえ万事うまくいったかに見えたところで新たな不運が。
前作のようなオールオッケーなエンディングもいいですが、こういう皮肉めいた結末こそドートマンダーらしく、いいですね(笑)。

