町の誰からも好かれている男エイダン。
そのエイダンに何年も監禁されている“レイチェル”は、エイダンが引っ越しを余儀なくされた事から、エイダンの引っ越し先である家にてエイダンとその娘セシリアと同居する事に…。
何年も監禁されながらも、生き延び、そしていつか逃げ出せるようにとのルールを自らに課しているレイチェル、エイダンの娘セシリア、それにエイダンに恋するバーテンダーのエミリーの視点で描かれるサスペンス。
エイダンは、実はレイチェル以外の女性も襲っているシリアルキラー。
しかし、困っている人がいれば率先して手助けをする、そんな姿を見ている町の人たちからは、老若男女問わず好かれている存在であり、それは妻を亡くして失意に沈んでいるエイダンを慰めようとイベントまで開催される様子からも見てとれるほどです。
さて、エイダンの家で同居するような形になるレイチェルですが、基本的には部屋に閉じ込めらた状態で、最初には夕食を取る時にしかセシリアと顔を合わす事もなく、その場でも言葉を交わす事もありません。
しかし、エイダンの油断もあって徐々にセシリアとの距離を近づけ、脱出への希望が高まっていく様子は、果たして首尾よく逃げる事ができるのかと、緊張感もあってドキドキしました。
なお、レイチェルのパートでは著者が「あなたは…」と呼びかけるように描写されています。そう、レイチェルは読み手自身でもあり、誰もがレイチェルと同じような境遇におかれる、そんな恐れがあるのかも。
そして、支配される事の絶望や恐ろしさ、生き延びるために持つ強さなど、その姿に共鳴するように感じる事で最後まで一気読みでした。
ところでバーテンダーのエミリー視点のパートは、恋は盲目というかまるでストーカーのような行動を取ったりする場面は、ロマンティック・サスペンスのようでもありましたね(笑)。
しかしエイダンはなぜ他の犠牲者と違ってレイチェルは生かしたまま監禁していたのでしょうか。このあたり、どこか示唆されている場面あったのかな。
そして一番心配なのは娘のセシリアかも。
レイチェルとセシリア、二人が笑顔で会えるような、そんな未来の場面が見てみたいです。

