『宵を待つ月の物語』 顎木あくみ | 固ゆで卵で行こう!

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ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

魔を退治する神祇官の一族、社城家が絶大な権力を持つ地域に、両親を亡くし祖母の家で暮らす夜花は、遠縁だからと社城家への宴会に駆り出される。
その手伝いの最中に事故で池に落ちた夜花は、不思議な雰囲気の少年、千歳に助けられる。



なんといっても、主人公を助ける使い魔(?)ゆきうさが可愛い。
口の悪いところがまたいい(笑)。


主人公は〈まれびと〉となった少女、夜花。

両親を喪い、厳しく当たる祖母の元で暮らしており、自立しようとしている頑張り屋で明るい彼女ですが、実は孤独でどうしようも無いぐあい厭世的な痛みを抱えている様子が胸を打ちます。


一方で同じ〈まれびと〉となった少女、晴。

彼女の自覚の無い悪意が怖いですね。

その彼女を番として選んだ序列一位の瑞希の不完全な様子も含め、今後に波乱と不幸を巻き起こしそうな予感がします。


そして、ひょんな事から夜花を助けた千歳。

ある呪いと祝福を受けている千歳の打算的だった目的も、夜花との交流で変化が見受けられます。


社城家の中では序列が決められており、その一族内での権力闘争や陰謀なども今後描かれいきそうですし、千歳の秘密や〈まれびと〉について、そして何より前向きに生きようと決意する夜花と、その反対に内へ内へとこもりそうな晴、二人の運命がどう描かれていくのか。

続きが楽しみな現代ファンタジーの開幕です。