「賢者の贈り物」「最後の一葉」なんかは子供の頃に読んだ事があるなぁという人も多いかと思います。
自分もそうなんですが、それ以外のオー・ヘンリーの作品もきっと一緒に読んだはず。
でも、自分の記憶力ほど当てにならないものはありません。
今回、あらためてこの傑作選1を読んで、確かに読んでいると思い出せたのは、やはり、ほんの数作品のみでした(笑)。
さて、今回読んでみて、自分が抱いていた印象とは意外に違う部分があるなと感じました。
特に「賢者の贈り物」は、貧しい若い夫婦が互いを思いやってクリスマスのプレゼントをし合うという優しく温かい物語なんだとずっと思っていました。
でも、あらためて読むと、確かに互いの相手を想う気持ちというのは温かいものですが、それぞれが支払ったもののお金では買えない価値の大きさは、もしかしたらこの夫婦の中に、しこりとなって残ってしまうんじゃないかと、不穏なものを感じたりも。
ラストで事実が明らかになると、それぞれの心情やその先は読者それぞれが想像するだけになるので、人によって感じ方も変わってきそうです。
最後に語り手によって二人がほんとうの賢者だと語られていますが、皮肉めいたものに聞こえたりしないでもないです。
でも、これって子供の頃には感じなかったので、そんな風に感じるのは擦れた大人になった証なんでしょうかね(笑)。
その他の作品も、心温まるお話から、皮肉めいたお話、寓話的だったり童話のようだったりと、なんとも色彩豊かで読んでいて飽きません。
ちょっとした描写がそれぞれの物語を鮮やかな映像として脳裏に浮かばせてくれそうですし、何より最後に物語が反転させるような展開を一瞬で見せてくれる様が、強く印象に残ります。
「最後の一葉」が収められている傑作選2の方も合わせて読みたくなりました。

