『オイモはときどきいなくなる』 田中哲弥 | 固ゆで卵で行こう!

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ときどきいなくなるけど、いつもは暗くなる前には帰ってくる、食いしん坊で、怖がりで白目むいたり、「おうおう」笑う雑種犬のオイモ。

 

生れた時から一緒だったオイモを探す、小学三年生のモモヨの目に映るもの、触れるもの、匂い感じるもの、それらが鮮やかに描かれている、切なくも愛おしい物語で、誰もが子供の頃に何かしら感じ取っていたものを思い出させてくれます。

 

モモヨと家族、そしてオイモを探しに出た先で出会うレオンさんとの会話も可笑しくも楽しく、思わず「ふふふ」と笑ってしまう事も。

 

そんな、天真爛漫というか、オイモと同じように食いしん坊で自由奔放で活き活きとしたモモヨの目を通した情景が、不思議に暖かく優しい世界として見えてきます。

 

加藤久仁夫さんのイラストも素敵で、より、その時を超えたような情景が目に浮かぶよう。

 

また、ささやかな事でビクッとしたり、自分で自分にびっくりして白目むいたり、お散歩から帰るのを嫌がったりするオイモの様子の描かれ方が、ちょっとファンタジックでありながらも、その姿はリアルで実に可愛いんですよねぇ。

 

うん、きっと、犬を飼った事がある人、犬好きな人はきっと「あるある」と思うと共に、大好きになる一冊です。

 

 

 
ちなみに本作は第62回日本児童文学者協会賞受賞作品。
児童書ではありますが、大人だからこそ楽しめる一冊でもあります照れ

 

 

 

 

 

それにしても著者の作品、久しぶりに読みました。

〈大久保町〉シリーズのイメージが強く、児童書ってどうなのって思っていましたが、〈大久保町〉シリーズの片鱗は本作にもあって、ちょっと安心したりもして(笑)。