3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1776
ナイス数:247
サリア遊廓の聖女 1 (ハヤカワ文庫JA)の感想
『死の婚礼』の直後、〈美と快楽の都〉タイスを舞台にマリウスを主人公にした外伝の1巻。3ヶ月連続刊行で、表紙の絵も3枚繋がる特別なものという事で期待も高まりつつ読み始めると、冒頭の描写でそこには確かにグインの世界が待っていたと感じさせてくれます。マリウスが自由な鳥であると信じていた頃のマリウスとして活き活きと描かれているのも嬉しい。マリウスの知られざる過去はやはり悲劇として終わるのでしょうか。次巻も楽しみ。
読了日:03月28日 著者:円城寺 忍
成瀬は天下を取りにいくの感想
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」冒頭の成瀬あかりのセリフで一気に引き込まれると、最後まで一気に読ませるほど成瀬あかりのキャラクターと行動に目が離せない。思わずクスクス、ニヤニヤ笑ってしまうような描写もあるけど、成瀬の周りの登場人物の内面はどこか胸が痛くなり切なくなる場面も。そんな中で成瀬の親友というかM-1にまで一緒に出る相棒の島崎という存在の大きさに気付かされる最終章には成瀬が今まで覚えなかった感情の揺らぎに共感と共に涙、そして爆笑。二人のこの先の物語も見たくなります。
読了日:03月27日 著者:宮島 未奈
だからダスティンは死んだ (創元推理文庫)の感想
新たな視点が加わってからの展開もスピーディで、意外性のある展開に前のめりに。読みながら違和感を覚えた描写の正体が明らかになった時には思わず「あ」と声をあげて驚いてしまいそうに。そうか、どうだよねぇと納得しながら一気にラストまで。精神疾患をもつも強くあろうとするヘンが魅力的。そのヘンに対し共感めいたものを抱くマシューと共振したら物語はもっと不穏なものになるのではと恐ろしさも。そしてラストで明かされるある事実は、なんだかグシャっとした感情を抱かせる、最後の最後まで気が抜けないスワンソンらしいサスペンスでした。
読了日:03月24日 著者:ピーター・スワンソン
ミッキー7 (ハヤカワ文庫SF)の感想
惑星開拓において危険な任務につく〈エクステンダブルズ(使い捨て人間)〉と呼ばれる、人格も記憶もコピーされたクローン人間として蘇るミッキー。7人目のミッキーが死地から帰還すると既に8人目が作らており、その事を隠しながらコロニーでの生活を送る様子が、ユーモアたっぷりに描かれています。考え出すとツッコミどころも多そうですが、ある意味不死の存在である事についてや、存在意義、極限状態での選択の仕方など面白かった。映画化されるとの事で、もしかしたらそちらの方が原作より面白くなるかもと期待です。
読了日:03月19日 著者:エドワード・アシュトン
ブッカケゾンビ (海外文庫)の感想
愛する妻と娘がいながら墓場で行われるAVの撮影に参加した主人公。何度も後悔し引き返そうとするも自身の欲望に逆らえないなんとも情けない様子が可笑しい。墓場で大量のゾンビに襲われ仲間達を失いながらも家族の元に帰ろうと奮闘する様子が、とにかくありとあらゆる体液にまみれたエログロのオンパレードの中で描かれます。それでも最後は愛する家族と一緒にとあきらめない主人公の涙ぐましい努力の果ては?!ひたすらエロとグロと暴力と汚い言葉で彩られたB級ホラー。好きな人にはたまらないだろうけど、誰にでも勧められはしないよねw
読了日:03月02日 著者:ジョー・ネッター
読書メーター
3月も5冊しか読んでおらず、積読本が増える月となりました。
月の頭はBryan Adamsの来日公演を見に、仙台→大阪→東京→名古屋と遊び歩き。
帰ってきてからもライブの余韻をずっと引きずっていたので、中旬も読書に身が入らず。
それ以降になって、ようやく普通の生活が戻ってきたかなって感じです。
とはいってもまだまだ余韻に浸っていますが(笑)。
そんな3月は宮島未奈の『成瀬は天下を取りにいく』がイチオシ。
そして翻訳ものでは、ピーター・スワンソンの『だからダスティンは死んだ』は今年読んでおきたいサスペンスの一つですね。
さて、4月は再読したいものもあるけど、2~3月にたまった本を読んでいかなきゃ!
