何やらすごいらしいと聞き、興味はあったものの、
「単行本かぁ」
と文庫化まで待とうかなとスルーしていた本作。
やっぱり読んでおこうとkindleで購入し、予備知識殆ど入れずに手に取ってみました。
しかしながら前半の群像劇には、一体何を見せられているんだと思いました(笑)。
しかし〈異常〉が現れた時からどう話が転がっていくのか興味深く読み進める事に。
ある飛行機に乗り合わせた人たち、殺し屋や癌を患った機長、カエルを飼う少女などが遭遇する〈異常〉を描くこの物語、SFでありミステリー要素もあります。
結果的に、やはり〈異常〉にあった人たちの群像劇が描かれるのですが、それらをどのように自分の中で昇華できるかで好みが分かれそうですね。
なんだかんだで、結果、面白かったんだけど、諸手を挙げておススメできるかどうかと言われると・・・微妙かも(笑)。
ただ、見せられた人の性みたいものや思考はやはり普遍的なものなのかな。
〈異常〉にあった時の人類の対応は多種多様。
大きな社会問題として浮かび上がるのは、人々がどう思い感じ行動するのか。
〈異常〉な事態そのものより、そこに表面化され生まれる悲劇の方がもしかして恐ろしいのかも。
シニカルで怖さのあるラストも現実にあり得そうな怖さもあって良かったです。
それにしても自分がこの〈異常〉に遭遇したらどう思い、感じるだろう。
考えても答えは出ないけど、考え出すと眠れなくなるかも(笑)。