意外な展開に思わず声を上げてしまったのは、マッツ・ミケルセン主演のアクション映画「ライダース・オブ・ジャスティス」。
アフガニスタンに赴任中の軍人マークスは、妻が列車事故で亡くなったという報せを受けて帰国する。
悲しみに打ちひしがれる中、娘との関係も悪化するばかり。
そんなマークスに数学者のオットーが訪れ、事故はある犯罪組織が列車に乗っていた重要証人を殺すために仕組まれたものだと告げる。
マークスは半ば強引にオットーとその仲間たちの協力を得て、殺された妻の復讐を始めるのだけれど…。
なんといってもマッツ・ミケルセンの髭面に坊主頭が見どころ(笑)。
軍人役という事で、恰幅もよくて、いつものイメージとは違ってむさくるしい様子もまた格好いいです。
肝心の内容もこれまた良かったです。
ストーリーだけ見るとよくある復讐ものかなと思いますが、そこに描かれているのは愛する人を失った事による悲哀と、それを受け入れて前に進もうとする再生の物語で、そしてまた壊れた家族の絆を再生する物語でもあります。
マッツ・ミケルセン演じるマークス自身は表情もほとんど変わる事もなく常にシリアスな演技。
それと対比するようにオットーやその仲間達の真剣だけどそれゆえにユーモラスな様子がおかしく、思わずクスクス笑ってしまう事も。
物語は壮絶な復讐劇へとなだれ込んでいくのですが、終盤で思わず「ええ?!」と声を上げてしまう展開が待っています。
いやいや、これはなかなか予想を超える展開。
数学者のオットーが唱える統計や確率論を逆手にとったその展開、うまいなぁ。
マークスとオットーの哀しみも胸に染みましたし、それゆえにラストの場面が微笑ましくなんだかウルッとくるものが。
そしてそこで思い出しました。
そうだった、これってクリスマス・ストーリーなんですよね。
多くの血が流れる暴力的な場面も多いけど、クリスマスらしくほっこりするという、ちょっと不思議な気もする映画でした。
