『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』 C・A・ラーマ― | 固ゆで卵で行こう!

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ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

 

 

 

これは実に楽しい!

 

ミステリ好き、クリスティ好き、更に読書会にも参加した事がある人なら間違いなく好きになる作品ですね。最初に入ったブッククラブ(読書会)が合わず、クリスティが好きでミステリー好きが集まるブッククラブを作ったアリシア。

 

ところが集まったメンバーのうちバーバラが行方不明に。

 

小さな灰色の脳細胞を駆使し、素人探偵達がバーバラの行方を探すのですが、クリスティに詳しい人なら真相に気付きそうですが、どうなんでしょうか。

 

それにしてもアリシアの妄想癖は可笑しいぐらいですが、被害妄想や悲劇的な妄想をしがちの割に暴走気味に調査する様子にはヒヤヒヤさせられますね。

 

でも、コージーミステリーらしい雰囲気も、それぞれ何か秘密を抱えているクラブのメンバーも個性的ですし、バーバーラを探すうちに更に持ち上がる謎、そして最後に明らかになる真実になる展開も実に楽しかったです。

 

 

ところで実は既に再読も。

 

再読だと結末も伏線も分かっているので、アリシアの暴走ぶりも安心して読めます(笑)。

 

それにしてもいくら読書会メンバーとはいえ、アリシアのように知り合ったばかりの人のために動くのは、人が良いといえば良いけど、他人のプライベートにずかずかと入り込む訳で、傍からみたら困ったちゃんですよね(笑)。

 

しかし、クリスティへの愛溢れる作品としての仕掛けはやはり見事ですよね。

 

この仕掛けまで分かる人は相当のクリスティファンなんじゃないでしょうか。

 

 

ところで、読書会を始めるにあたってメンバーが集まるかどうかや、どんな人がきてくれるか不安になる気持ち、分かり過ぎるぐらい分かります(笑)。

 

でも実際に読書会に参加すると、自分では気づかなかった事や思いもかけない感想など聞けるだけでなく、やはり同じ趣味だったり時間を共有する楽しさを味わえたりするので、機会があれば経験ない方も是非参加してみてはいかがでしょうか。


そして本書は好評だったようで、早くもシリーズ2作目『危険な蒸気船オリエント号』が店頭に並んでおり、自分も既に読了済みです。

 

 

本家クリスティのように愛されるシリーズになって欲しいですね。